平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 135

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問 135  正答率 : 34.7%

 国家試験問題

国家試験問題
化学物質A〜D及び「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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1 化学物質A、B、Cは、いずれも第一種特定化学物質である。
2 化学物質Dは第一種特定化学物質であるが、特定の用途においては代替品がないので、環境汚染のおそれがない場合に限り、例外的に使用が認められている。
3 第二種特定化学物質は、難分解性、低蓄積性で、ヒト及び生活環境動植物への長期毒性をもつ化学物質である。
4 化学物質Aは油症事件で問題になった物質で、この事件は化審法制定の契機となった。
5 監視化学物質とは、分解性があり、蓄積性が認められなくても、ヒトへの長期毒性又は生活環境動植物への長期毒性のおそれのある化学物質のことである。

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問 135    

 e-REC解説

解答 2、4

本設問の化学物質は、A:ポリ塩化ビフェニル(PCB)、B:2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ジオキシン(2,3,7,8−TCDD)、C:DDT、D:パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)である。
本設問で問われている化審法とは、PCBによる環境汚染がきっかけで制定された法律であり、規制対象となる化学物質が有する性質(分解性、蓄積性、毒性など)により、化学物質を以下の表の4種類に分類し、製造、輸入、使用などについて規制している。
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1 誤
A(PCB)とC(DDT)は第一種特定化学物質であるが、B(2,3,7,8−TCDD)は非意図的生成物のダイオキシンであり、化審法の規制対象外である。なお、化審法において、ヒトが一定の目的で化学物質を製造、使用、廃棄する課程で生成する副生成物(非意図的生成物)は規制の対象とならない。

2 正
D(PFOS)は、第一種特定化学物質であり、原則として製造・輸入が禁止、使用が制限されるが特定の用途においては代替品がないので、環境汚染のおそれがない場合に限り、例外的に使用が認められている。

3 誤
第二種特定化学物質は、難分解性又は易分解性、低蓄積性、ヒト及び生活環境動植物への長期毒性をもつ化学物質のことである。

4 正
電気絶縁体、熱媒体として使用していたA(PCB)が食用油に混入することで皮膚障害(黒皮症、皮膚癌)が発生したカネミ油症事件をきっかけに化審法が制定された。

5 誤
監視化学物質とは、難分解性、高蓄積性が認められ、ヒトへの長期毒性又は生活環境動植物への長期毒性が不明の化学物質のことである。なお、分解性があり、蓄積性が認められなくても、ヒトへの長期毒性又は生活環境動植物への長期毒性のおそれのある化学物質は第二種特定化学物質に該当する。

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