平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 139

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問 139  正答率 : 71.9%

 国家試験問題

国家試験問題
光化学オキシダント及びその測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 光化学オキシダントの大部分はオゾンであるが、一部にペルオキシアセチルナイトレート(PAN)も含まれる。
2 光化学オキシダントの環境基準達成率は、一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局いずれにおいても低い水準となっている。
3 光化学オキシダントは、微量の硫酸を含む過酸化水素水を吸収液として用いる溶液導電率法により測定される。
4 光化学オキシダントの発生には、空気中の硫黄酸化物が関与している。
5 光化学オキシダントの発生量は、オゾン層の破壊により減少している。

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問 139    

 e-REC解説

解答 1、2

1 正
光化学オキシダントは、オゾン、ペルオキシアセチルナイトレート(PAN)及びその他の光化学反応により生成される酸化性物質(中性ヨウ化カリウム溶液からヨウ素を遊離するものに限り、二酸化窒素を除く)のことであり、90%以上がオゾンである。

2 正
平成26年における光化学オキシダントの環境基準達成率は、一般環境大気測定局で0%、自動車排出ガス測定局で3.6%であり、達成状況は極めて低い水準となっている。

3 誤
光化学オキシダントは、試料空気を中性のヨウ化カリウム溶液に通じ、生成するヨウ素(I2)に由来する呈色物質(I3)の吸光度(350 nm)を測定する中性ヨウ化カリウム法により測定される。なお、微量の硫酸を含む過酸化水素水を吸収液として用いる溶液導電率法により測定されるのは、硫黄酸化物である。

4 誤
光化学オキシダントは、大気中の窒素酸化物と炭化水素が紫外線の作用により光化学反応を起こすことによって生じる。

5 誤
光化学オキシダントの生成には紫外線が関与しており(解説4参照)、オゾン層の破壊によって地表に到達する紫外線量が増加することから、光化学オキシダントの発生量は増加する。

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