平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 169

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問 169  正答率 : 55.0%

 国家試験問題

国家試験問題
薬物相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 シクロスポリンの併用により、プラバスタチンの肝臓への移行が阻害され、その血中濃度は上昇する。
2 ノルフロキサシンの作用により、フルルビプロフェンの肝臓での代謝が阻害され、その薬理効果は増強される。
3 アスコルビン酸の併用により、サリチル酸の尿細管からの再吸収が阻害され、その腎クリアランスは大きくなる。
4 セントジョーンズワートの長期摂取により、ワルファリンの消失半減期が延長し、出血傾向が引き起こされる。
5 エリスロマイシンは、CYP3A4を不活化し、フェロジピンの血中濃度を上昇させる。

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問 169    

 e-REC解説

解答 1、5

1 正
プラバスタチンは、有機アニオン輸送系により肝臓へ取り込まれることにより、コレステロールの合成を阻害する。シクロスポリンは、有機アニオン輸送系によるプラバスタチンの取り込みを阻害するため、プラバスタチンの血中濃度が上昇する。

2 誤
フルルビプロフェンは、ノルフロキサシンなどのニューキノロン系抗菌薬がもつGABA拮抗作用を増強するため、両薬物を併用すると副作用として中枢性痙れんなどを起こすことがある。

3 誤
アスコルビン酸は尿のpHを低下させるため、尿中のサリチル酸の分子形の割合は増加する。そのため、受動拡散によるサリチル酸の尿細管再吸収が促進されるので、腎クリアランスは低下する。

4 誤
セントジョーンズワートの長期摂取により、ワルファリンの代謝酵素であるCYP2C9が誘導される。そのため、ワルファリンの代謝が亢進し、消失半減期が短縮し作用が減弱することから、ワルファリンの副作用である出血傾向などは現れにくくなる。

5 正
エリスロマイシンは、その代謝物がCYP3A4阻害をもつため、フェロジピンのCYP3A4による代謝を阻害するで、フェロジピンの血中濃度を上昇させる。

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