平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 174

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問 174  正答率 : 62.7%

 国家試験問題

国家試験問題
25℃の水溶液中における薬物A及び薬物Bの濃度を経時的に測定したところ、下図のような結果を得た。次に、両薬物について同一濃度(C)の水溶液を調製し、25℃で保存したとき、薬物濃度がC/2になるまでに要する時間が等しくなった。C(mg/mL)に最も近い値はどれか。1つ選べ。
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問 174    

 e-REC解説

解答 3

薬物Aのグラフは片対数グラフであり、Aの濃度と時間の関係が直線を示すことから、薬物Aは1次反応に従って分解していることが分かる。また、薬物BのグラフはBの濃度が時間の経過とともに一定速度で減少していることから、薬物Bは0次反応に従って分解していることが分かる。
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設問において、半減期(薬物濃度がC/2になるまでに要する時間)について問われているため、以下に1次反応と0次反応における半減期の特徴について示す。

(薬物Aのグラフ:1次反応)
1次反応の半減期t1/2は、以下の①式より示すことができ、半減期t1/2は初濃度C0に依存しない特徴がある。そのため、薬物Aのグラフより、薬物Aの半減期t1/2(初濃度10mg/mL が5mg/mLになるまでに要する時間)は濃度に関わらず3 day であることが分かる。
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(薬物Bのグラフ:0次反応)
0次反応の半減期t1/2は、以下の②式により示すことができ、半減期t1/2は初濃度C0と比例の関係であるため、初濃度C0によって変化する特徴がある。薬物Bのグラフより、薬物Bの半減期t1/2(初濃度10mg/mL が5mg/mLになるまでに要する時間)は8 dayであることが分かる。
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以上より、設問で問われているように両薬物の半減期t1/2(薬物濃度がC/2になるまでに要する時間)を等しくするためには、濃度の影響を受ける薬物Bの半減期t1/2を3dayになるように、薬物Bの初濃度C0を調節すればよい。

そのために、まず②式にC0 = 10 mg/mL、t1/2 = 8 day、を代入して、反応速度定数kを求める。
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次に、②式にk = 0.625 mg・mL−1・day−1t1/2 = 3 day、を代入して、初濃度C0を求める。
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従って、両薬物の半減期t1/2(薬物濃度がC/2になるまでに要する時間)を等しくするには、初濃度C0を3.75 mg/mLにする必要がある。

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