平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 343

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問 343  正答率 : 75.7%

 国家試験問題

国家試験問題
ある医薬品について患者向け説明文書を作成するため、承認時の審査報告書を調べたところ、次のような記載が見つかった。

Ⅳ.総合評価
高容量(125 mg/日)ではあるものの本剤単独投与で汎血球減少症による死亡例が発現しており、肝機能障害、胃腸障害等も高頻度に発現していること( -中略- )などを踏まえると、本剤の臨床使用にあたっては十分な安全対策を講じる必要があり、製造販売後調査において本剤の安全性を引き続き慎重に検討する必要があると考える。
(一部抜粋)

患者向け説明文書中「このような症状が現れたときには、すぐに医師または薬剤師に連絡してください」の項目に記載する必要があるのはどれか。1つ選べ。

1 手足がしびれる、手足の皮膚が硬くなる、爪が変形する。
2 息が切れる、めまいがする、のどが痛い、鼻血がでる、青あざができる。
3 尿が少なくなる、尿が出ない、むくみがある、体がだるい、発疹。
4 のどがかわく、水分をたくさん摂ってしまう、尿の量が多い、体重が減る。
5 ぼんやりする、手足がふるえる、目がちらつく、ふらつく、冷や汗がでる。

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問 343    

 e-REC解説

解答 2

1 誤
「手足がしびれる、手足の皮膚が硬くなる、爪が変形する」などの症状がみられるのは手足症候群であるが、総合評価には手足症候群の記載はないため、説明文書への記載は必要ない。

2 正
総合評価に「本剤単独投与で汎血球減少症による死亡例が発現」との記載があるため、患者向け説明文書中「このような症状が現れたときには、すぐに医師または薬剤師に連絡してください」の項目に、汎血球減少症の症状を記載する必要がある。汎血球減少症の症状としては、赤血球減少による息切れ、めまい、全身倦怠感、動悸、白血球減少によるのどの痛みや発熱、血小板減少による青あざや鼻血などの出血症状があげられる。

3 誤
「尿が少なくなる、尿が出ない、むくみがある、体がだるい、発疹」などの症状がみられるのは急性腎不全であるが、総合評価には急性腎不全の記載はないため、説明文書への記載は必要ない。

4 誤
「のどがかわく、水分をたくさん摂ってしまう、尿の量が多い、体重が減る」などの症状がみられるのは高血糖であるが、総合評価には高血糖の記載はないため、説明文書への記載は必要ない。

5 誤
「ぼんやりする、手足がふるえる、目がちらつく、ふらつく、冷や汗がでる」などの症状がみられるのは低血糖であるが、総合評価には低血糖の記載はないため、説明文書への記載は必要ない。

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