平成27年度 第100回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 310,311

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問 310  正答率 : 73.8%
問 311  正答率 : 94.1%

 国家試験問題

国家試験問題
薬剤師が医師に同行して、糖尿病治療中の在宅患者を訪問した際、患者の家族よりおしりが赤くなっていると訴えがあった。医師が診察したところ、尾骨部周辺から多くの滲出液がでていた。薬剤師は、医師から「褥瘡になっている。まず、外用剤に滲出液を吸収させたい。適切な薬剤はないか。」と相談された。

問310(実務)
以下の製剤のうち、薬剤師が提案するものとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 白色ワセリン
2 親水クリーム(親水軟膏)
3 マクロゴール軟膏
4 単軟膏
5 吸水軟膏


問311(法規・制度・倫理)
後日、この患者の処方せんを薬局がファクシミリで受け取った。薬剤師は、再度患者宅を訪問し、以下の業務を行った。適切なのはどれか。2つ選べ。

1 薬剤の効果を確かめるために、患者から同意を得た上で採血を行い血糖を測定した。
2 患者が服薬しやすいように服薬カレンダーに薬剤をセットした。
3 患者宅の残薬が服用可能であったため、薬剤師の判断で処方された数量を変更して調剤した。
4 薬剤の効果が不十分と考えられたため、処方医に疑義照会した。
5 薬剤の副作用が発現していると考えられたため、薬剤師の判断で服用量の減量を指示した。

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問 310    
問 311    

 e-REC解説

問310 解答 3

医師から「褥瘡になっている。まず、外用剤に滲出液を吸収させたい。適切な薬剤はないか。」と相談されたとあることから、薬剤師が提案するものとして、最も適切なのは、水溶性基剤であるマクロゴールである。なお、油脂性基剤である白色ワセリン、単軟膏は、油分による創傷面の保護に用いられ、乳剤性基剤である親水クリーム、吸水クリームは、乾燥した組織に水分を与える際に用いられる。


問311 解答 2、4

1 不適切
採血は医療行為に該当するため、医師又は医師の指示を受けた看護師、臨床検査技師が実施するものであり、薬剤師が実施してはならない。

2 適切
服薬カレンダーとは、服用時点ごとに薬剤がセットできるポケットが付いたカレンダーのことである。患者の飲み忘れを防止するために、服薬カレンダーに薬剤をセットすることは、薬剤師業務として適切である。

3 不適切
患者宅の残薬が服用可能であり、処方された薬剤の数量を変更して調剤する場合には、処方医の同意が必要である。

4 適切
処方内容に疑わしい点がある場合、患者宅において疑義照会を実施することは可能である。

5 不適切
薬剤の副作用が発現していると考えられる場合には、処方医に疑義照会を行い、服用量を減量するよう提案する必要がある。

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