平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 236,237

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問 236  正答率 : 75.0%
問 237  正答率 : 82.9%

 国家試験問題

国家試験問題
ある病院において、予防接種の頻度が上がり、患者からの薬剤部への問い合わせ件数も増加したため、ワクチンの接種法及び接種時期について確認作業を行った。

問236(実務)
予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 複数のワクチンを同時に接種する場合には、上腕と大腿など穿刺部位を離してから注射する。
2 不活化ワクチンの接種後に別の疾患に対するワクチンを接種する場合は、生ワクチンの接種後に比べ接種感覚を長くあける必要がある。
3 生ワクチンには有効期間が定められているが、不活化ワクチンには定められていない。
4 生ワクチン、不活化ワクチンのいずれの場合も、接種後に副反応が生じることがあるので30分程度様子を見ることが必要である。


問237(衛生)
予防接種法に基づく定期の予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 高齢者の肺炎球菌感染症は予防接種法におけるB類疾病に含まれ、65歳以上になると、肺炎球菌ワクチンは毎年度1回ずつ接種することができる。
2 ポリオ(急性灰白髄炎)のワクチンは、ジフテリア、百日咳、破傷風のワクチンとともに、4種混合ワクチンとして接種される。
3 麻しん・風しん混合ワクチンは、免疫効果が強い生ワクチンなので、生後12〜24ヶ月の間に1回のみ接種される。
4 水痘は予防接種法におけるA類疾病に分類され、そのワクチンとしては弱毒生ワクチンが用いられる。
5 インフルエンザ菌b型(Hib)に対するワクチンは、インフルエンザウイルスに対しても効果を示す。

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問 236    
問 237    

 e-REC解説

問236 解答 1、4

1 正
複数のワクチンを同時に接種する場合、上腕と大腿など穿刺場所を離して注射する。上腕ならびに大腿の同側の近い部位に接種する場合は、接種部位の局所反応が出た場合に重ならないように、少なくとも2.5 cm以上あける。

2 誤
不活化ワクチンやトキソイドを、接種後に他の疾病に対するワクチンを接種する場合、通常、1週間程度間隔をあける。一方、生ワクチンを接種する後に他の疾病に対するワクチンを接種する場合、通常、4週間程度間隔をあける。

3 誤
生ワクチン及び不活化ワクチンはいずれも生物学的製剤基準等により有効期間が定められている。よって、有効期間を過ぎた生ワクチンや不活化ワクチンは廃棄しなければならない。

4 正
ワクチン接種後、稀にアナフィラキシーショックなどの副反応を生じることがあるため、接種後30分程度様子を見ることが必要である。


問237 解答 2、4

予防接種法では、対象疾病をA類疾病(13疾病)とB類疾病(2疾病)に分類し、その他に対象年齢を定めている。次に予防接種に関する対象疾病、対象年齢等を示す。
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1 誤
高齢者の肺炎球菌感染症の予防接種は、予防接種法におけるB類疾病に分類され、ワクチン接種は未接種の場合に限り、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になるいずれかの年度で1回ずつ接種することができる。

2 正
ポリオ(急性灰白髄炎)は、A類疾病に分類され、ポリオ、ジフテリア、百日咳、破傷風のワクチンを混合した4種混合ワクチン(DPT−IPV)として接種される。

3 誤
麻しん及び風しんはA類疾病に分類され、麻しん・風しん混合MRワクチンを生後12〜24ヶ月の間に1回、5歳以上7歳未満であり、小学校就学に達するまでの1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間に1回、合計2回ワクチンを接種する。

4 正
水痘は、2014年(平成26年)10月よりA類疾病に追加され、水痘ワクチンとして弱毒生ワクチンを生後12〜36ヶ月の間に1回、合計2回ワクチンを接種する。

5 誤
インフルエンザ菌(Hib)に対するワクチンは、インフルエンザウイルスに対しては効果を示さない。インフルエンザウイルスに対して効果を示すワクチンは、インフルエンザHAワクチン(インフルエンザA型及びB型に有効)である。

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