平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 198,199

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問 198  正答率 : 62.0%
問 199  正答率 : 50.2%

 国家試験問題

国家試験問題
38歳女性。肝内胆管がんと診断され、肝臓を部分切除した。患者は術後の回復期にあり、食事を経口的に摂取しはじめ、高カロリー輸液療法の離脱を目指している。また、肝性浮腫と痰のからみがあるため、図のような注射剤が投与されている。
スクリーンショット 2017-12-28 14.20.02.png

問198(実務)
患者はてんかんの内服液を常用していたが、術後内服ができないため、フェニトインナトリウム注射液を1日1回投与しなければならない。以下の投与経路のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。

1 Aのラインを止め、Eから生理食塩液10 mL程度を管注(I.V.Push)した後に投与する。


2 Bのラインを止め、Eから管注(I.V.Push)する。


3 Cのラインを止め、Dから生理食塩液10 mL程度を管注(I.V.Push)した後に投与する。


4 Cに混和して投与する。


5 注射用カンレノ酸カリウムと混和してDから管注(I.V.Push)する。




問199(物理・化学・生物)
フェニトインは治療薬物モニタリング(TDM)対象薬であることから、イムノアッセイによる血中薬物濃度測定を行った。イムノアッセイに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 フェニトインなどの低分子は、サンドイッチ法により測定される。


2 モノクローナル抗体は、一般にポリクローナル抗体に比べて交差反応性が大きい。


3 化学発光イムノアッセイでは、標識物質に励起光を照射することで生じる発光を測定する。


4 免疫比濁法では、免疫複合体の形成により粒子が凝集する性質を利用している。


5 ELISAでは、抗原あるいは抗体を固定化した固相が用いられる。

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問 198    
問 199    

 e-REC解説

問198 解答 3

フェニトインナトリウム注射液(以下、本剤)は、強アルカリ性の注射剤であり、pH低下によりフェニトインの結晶が析出する可能性があるため他剤とは配合できない。そのため、本剤投与前に生理食塩水を管注(I.V.Push)するなど、配合変化が起こらないように配慮する必要がある。

1 誤
Eから投与する場合、AまたはBどちらかのラインを止めるだけでは使用ラインとの配合変化を避けることができない。したがって投与経路としては不適切である。

2 誤
解説1参照

3 正
Dから投与する場合、Cのラインを止め、投与前にDから生理食塩液を管注(I.V.Push)することで他剤との配合変化を避けることができる。したがって、投与経路として最も適切である。

4 誤
本剤は他剤とは配合できないため、Cの酢酸リンゲル液に混和して投与することはできない。したがって投与経路としては不適切である。

5 誤
本剤は他剤とは配合できないため、注射用カンレノ酸カリウムと混和して投与することはできない。したがって投与経路としては不適切である。


問199 解答 4、5

免疫測定法は、標識法(例:ラジオイムノアッセイ、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、化学発光イムノアッセイ)と非標識法(免疫比濁法、免疫比ろう法)に大別される。標識法は、抗体または抗原を何らかの方法で標識し、抗原-抗体複合体を標識体のシグナルで検出する方法である。非標識法は、抗原-抗体複合体を濁度や光散乱で検出する方法である。標識法は、さらに競合法と非競合法に分類される。

1 誤
サンドイッチ法は、酵素免疫測定法のうち非競合的免疫測定法に分類される。測定したい抗原物質を一次抗体と標識二次抗体で挟み込むように(サンドイッチ)測定することからサンドイッチ法と呼ばれる。そのため、複数の抗体と結合できる性質をもつ高分子化合物の測定に利用されるが、フェニトインのような低分子化合物の測定には用いられない。

2 誤
抗体が目的の抗原以外の類似構造をもつ物質と反応することを交差反応という。モノクローナル抗体は抗原特異性が高く、一般にポリクローナル抗体に比べて、類似構造をもつ物質と反応しにくく交差反応性が小さい。

3 誤
化学発光イムノアッセイは、化学反応により生じるエネルギーによって放出される光を測定する免疫測定法であり、標識物質に励起光を照射するのではない。

4 正
免疫比濁法は、非標識免疫測定法に分類され、抗原抗体反応による免疫複合体の形成により生じた粒子が凝集する性質を利用して、生じた懸濁溶液の濁度を測定する免疫測定法である。

5 正
抗原または抗体の標識に酵素を用いた免疫測定法を酵素免疫測定法(EIA:Enzyme immuno assay)といい、特に抗原あるいは抗体をマイクロプレートに固定化した測定系をELISA(Enzyme−linked immunosorbent asssay)という。

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