平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 312,313

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問 312  正答率 : 79.3%
問 313  正答率 : 69.1%

 国家試験問題

国家試験問題
65歳男性。肝硬変にて入院となり、ラクツロースゼリーが処方された。ラクツロースゼリーを調剤すべきところを誤ってポリスチレンスルホン酸カルシウムゼリーを調剤した。病棟にて、薬剤師が気づき、服用させずに済んだ。

問312(実務)
このような事態を踏まえて、医薬品安全管理責任者が病院としての再発防止策を立てた。再発防止策として最も優先度が低いのはどれか。1つ選べ。

1 薬品棚における外観類似医薬品の配置を工夫する。
2 取り違え防止に指さし呼称を導入する。
3 調剤した薬剤師個人の責任を追求する。
4 病院内でインシデント事例の情報を共有する。
5 個人的要因を明らかにし、発生した誤りを分析する。


問313(法規・制度・倫理)
医療事故への対応などは、医療法の医療の安全の確保に関する規定において定められている。この規定において、医療の安全を確保するための措置を講ずる義務又は責務を課されていないのはどれか。1つ選べ。

1 国
2 地方公共団体
3 病院の開設者
4 病院の管理者
5 診療所の管理者

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問 312    
問 313    

 e-REC解説

問312 解答 3

1 優先度が高い
調剤過誤を防止する目的として、外観類似医薬品や名称類似医薬品などを踏まえて薬品棚の配置を工夫することは必要である。

2 優先度が高い
調剤過誤を防止する目的として、取り違え防止に指さし呼称を導入し確認方法を工夫することは必要である。

3 最も優先度が低い
個人の責任を追求することは再発防止策としては優先度が最も低いと考えられる。調剤過誤を防止する目的としては、個人の責任を追求することよりも、原因を明らかにし、発生した誤りを分析し繰り返さないための対策を検討することが必要である。

4 優先度が高い
調剤過誤を防止する目的として、医療施設内でインシデント事例(医療事故には至らなかったがヒヤリとした事例)の情報を共有することは必要である。

5 優先度が高い
解説3参照


問313 解答 3

医療法において、医療の安全を確保するための措置を講ずる義務又は責務を課されていないのは、病院の開設者である。以下に医療法の一部を抜粋する。
国並びに都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、医療の安全に関する情報の提供、研修の実施、意識の啓発その他の医療の安全の確保に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。(医療法第6条の9)
病院、診療所又は助産所の管理者は、厚生労働省令で定めるところにより、医療の安全を確保するための指針の策定、従業者に対する研修の実施その他の当該病院等における医療の安全を確保するための措置を講じなければならない。(医療法第6条の12)

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