平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 153

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問 153  正答率 : 79.0%

 国家試験問題

国家試験問題
糖尿病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ダパグリフロジンは、尿細管のNa/グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで尿中へのグルコースの排泄を促進する。
2 ブホルミンは、AMP依存性キナーゼ(AMPK)を抑制することで肝臓における糖新生を抑制する。
3 ミグリトールは、小腸粘膜に存在するα−グルコシダーゼを阻害することで糖の消化と吸収を遅延させ、食後高血糖を抑制する。
4 ナテグリニドは、アルドース還元酵素を阻害することで細胞内ソルビトールの蓄積を抑制し、末梢神経障害を改善する。
5 リナグリプチンは、膵β細胞上のグルカゴン様ペプチド−1(GLP-1)受容体を直接刺激することでインスリン分泌を促進する。

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問 153    

 e-REC解説

解答 1、3

1 正
ダパグリフロジンは、Na/グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬であり、腎尿細管においてグルコースの再吸収を抑制することで、尿中へのグルコース排泄を増加させ、血糖降下作用を示す。

2 誤
ブホルミンは、AMP依存性プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化することにより、肝臓での糖新生を抑制し、末梢での糖利用を促進することで血糖降下作用を示す。

3 正
ミグリトールは、α-グルコシダーゼ阻害薬であり、小腸における糖の分解を抑制し消化・吸収を遅延させることで、食後高血糖を抑制する。

4 誤
ナテグリニドは、速効型インスリン分泌促進薬であり、スルホニル尿素(SU)構造をもたないが、膵β細胞のSU 受容体に結合し、ATP感受性Kチャネルを閉口させてインスリン分泌を促進することで血糖降下作用を示す。なお、アルドース還元酵素を阻害することで細胞内ソルビトールの蓄積を抑制し、末梢神経障害を改善するのは、エパルレスタットである。

5 誤
リナグリプチンは、インクレチンの分解酵素であるジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害することで、インクレチン濃度を高める。これにより、血糖依存的にインスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制することで、血糖降下作用を示す。

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