平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 103

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問 103  正答率 : 74.1%

 国家試験問題

国家試験問題
下式に示した、光学的に純粋な化合物Aと水とのSN1反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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1 Aの化合物名は(R)−3−bromo−3,4−dimethylpentaneである。
2 光学的に純粋なアルコールが得られる。
3 反応速度は、Aの濃度及び水の濃度のいずれにも比例する。
4 水は求核剤として作用する。
5 反応はカルボカチオン中間体を経由して進行する。

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問 103    

 e-REC解説

解答 4、5

SN1反応は、ハロゲンなどが脱離することで生じるカルボカチオン中間体(平面構造)に、求核剤(水など)が求核攻撃することで進行する反応である。本反応では、基質によるカルボカチオン中間体の生成が律速段階となるため、反応速度は基質の濃度にのみ依存する。また、基質の反応部位がキラル炭素の場合、生成物はラセミ体(エナンチオマーの等量混合物)となる。本問の反応機構を以下に示す。
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1 誤
Aの化合物名は、(S)−3−bromo−2,3−dimethylpentaneである。
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2 誤
本反応では、生成物が光学的に不活性なラセミ体となるため、光学的に純粋な(R体またはS体のみ)アルコールは得られない。

3 誤
本問における反応は、SN1反応であるため、基質である化合物Aの濃度にのみ比例する。

4 正
前記参照

5 正
前記参照

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