平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 216,217

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問 216  正答率 : 51.5%
問 217  正答率 :

 国家試験問題

国家試験問題
45歳女性。4年前、2型糖尿病と診断され、グリメピリド錠とボグリボース錠による薬物治療を開始した。最近の検査の結果より、主治医は以下の薬剤を開始した。患者はその処方箋を薬局に持参した。
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問216(物理・化学・生物)
追加されたイプラグリフロジンは、Na/グルコース共輸送体(SGLT)のうち、SGLT2の選択的阻害薬である。SGLT及びグルコース輸送体(GLUT)によるグルコース輸送に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 SGLT2は、主に消化管におけるグルコースの吸収に関与する。
2 細胞膜にあるGLUTによるグルコース輸送は、グルコースの濃度勾配に従う。
3 SGLT2はNaの濃度勾配を利用してグルコースを輸送する。
4 GLUTは、グルコースと同様にマルトースを輸送する。
5 血液中のグルコースは、尿細管においてSGLT2によって原尿中に分泌される。


問217(実務)
SGLT2選択的阻害薬の副作用として誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 低血糖
2 尿路感染症
3 脱水
4 血圧上昇
5 体重減少

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問 216    
問 217    

 e-REC解説

問216 解答 2、3

グルコース輸送に関与するトランスポーター(担体)には、能動輸送形式のNa/グルコース共輸送体(SGLT)や促進拡散形式のグルコース輸送体(GLUT)が知られており、サブタイプによって存在部位が異なっている。

1 誤
SGLT2は、主に腎臓の近位尿細管におけるグルコースの再吸収に関与する。なお、主に消化管におけるグルコースの吸収に関与するのは、SGLT1である。

2 正
GLUTは、促進拡散形式の輸送担体であり、グルコースの濃度勾配に従いグルコース輸送を行う。

3 正
SGLTは、Naの濃度勾配を利用してグルコースを輸送する二次性能動輸送形式の輸送担体である。

4 誤
GLUTは、単糖であるグルコース、ガラクトース、フルクトースの輸送に関与し、二糖類であるマルトースの輸送には関与しない。なお、マルトースは、消化管内でマルターゼにより2分子のグルコースに分解され、分解されたグルコースがSGLTやGLUTにより吸収される。

5 誤
近位尿細管のSGLT2は、原尿中のグルコースを血液中に再吸収する輸送に関与する。


問217 解答 解なし

イプラグリフロジンなどのSGLT2阻害薬の副作用として、低血糖、尿路感染症、脱水、高血圧(血圧上昇)、体重減少などが知られている。

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