平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 177

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問 177  正答率 : 45.5%

 国家試験問題

国家試験問題
放出制御型製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 硫酸鉄を含むグラデュメット型製剤は、イオン交換樹脂に鉄を吸着させて、消化管内のイオンとの交換反応により徐放させる製剤である。
2 パリペリドンを含む浸透圧ポンプ型製剤は、薬物とそれを押し出す駆動力となる電解質を高分子マトリックスに分散させた徐放性製剤である。
3 チモロールマレイン酸塩と添加物であるメチルセルロールを含む持続性点眼剤は、熱可逆的ゾル-ゲル相転移特性を利用して、結膜嚢での薬物の長時間滞留を可能にした製剤である。
4 オキシブチニン塩酸塩を含む経皮吸収型貼付剤は、マトリックス型構造を有し、貼付後、血中薬物濃度を長時間維持できる製剤である。
5 ブセレリン酢酸塩を含むエチレン・酢酸ビニル共重合体からなる生分解性マイクロカプセルは、皮下投与後、長期にわたり薬効を持続できる製剤である。

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問 177    

 e-REC解説

解答 3、4

1 誤
硫酸鉄を含むグラデュメット型製剤は、錠剤を構成する多孔性のプラスチック格子の間隙に薬物を含有することで徐放させる製剤である。また、イオン交換樹脂に薬物を吸着させて、消化管内のイオンとの交換反応により徐放させる製剤として、レジネート型製剤がある。

2 誤
パリペリドンを含む浸透圧ポンプ型製剤は、半透膜で被覆された製剤(OROS®)である。OROS®は経口投与後、浸透圧差が駆動力となり水(消化管液)が一定速度で浸透することで薬物が溶解し、一定速度で薬物を放出する徐放性製剤である。

3 正
メチルセルロール(MC)は、体温付近まで温度が上昇すると粘性が高くなる熱可逆的ゾル-ゲル相転移特性を有する。そのためMCを点眼剤の添加剤として用いることで、結膜嚢での薬物の長時間滞留を可能にすることができる。

4 正
オキシブチニン塩酸塩を含む経皮吸収型貼付剤は、マトリックス型構造を有し、貼付後、マトリックス基剤からの薬物放出により血中薬物濃度を長時間維持できる製剤である。

5 誤
ブセレリン酢酸塩を含む生分解性マイクロカプセルは、乳酸・グリコール酸共重合体が基剤として用いられている。ブセレリン酢酸塩を含む乳酸・グリコール酸共重合体からなる生分解性マイクロカプセルは、皮下投与後、生体内で徐々に加水分解され長期にわたり薬効を持続できる製剤である。

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