平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 100

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問 100  正答率 : 53.0%

 国家試験問題

国家試験問題
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
スクリーンショット 2019-06-13 16.49.32.png

1 塩基性条件下で十座配位子として働く。
2 酸性条件下では、塩基性条件下より強く配位結合する。
3 キレート効果により、アンモニアよりも安定な錯体を形成する。
4 カルシウムイオンとの配位結合形成により蛍光特性が変化するため、カルシウムイオンの定量分析に用いられる。
5 配位結合により、五員環のキレート環を形成する。

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問 100    

 e-REC解説

解答 3、5

1 誤
塩基性条件下では、窒素原子と脱プロトン化したカルボキシ基が配位結合するため、六座配位子として働く。
スクリーンショット 2019-08-01 14.35.37.png

2 誤
酸性条件下では、プロトンが配位子の非共有電子対を奪うため、塩基性条件下より配位結合が弱くなる。

3 正
同じ配位原子を持つ場合では、単座配位子からなる錯体よりも多座配位子からなる錯体の方がより安定となる。この現象をキレート効果と呼び、本問の場合、単座配位子であるアンモニアが形成する錯体よりも多座配位子であるEDTAが形成する錯体の方が安定となる。

4 誤
カルシウムイオンの定量分析は、NN指示薬がカルシウムイオンと結合している時は赤色を呈し、EDTAがNN指示薬に結合しているカルシウムイオンを奪い取りキレートを形成することで、遊離したNN指示薬が青色を呈するという指示薬の色の変化を利用している。なお、EDTAはカルシウムイオンとの配位結合形成により蛍光特性は変化しない。

5 正
EDTAは金属イオン(M)と配位結合により複数の五員環を持つキレート環を形成する。
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