平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 134

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問 134  正答率 : 77.5%

 国家試験問題

国家試験問題
大気汚染物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 二酸化硫黄から生じる硫酸ミストは、他の硫黄酸化物と比べ、目や気道粘膜への刺激が強い。
2 ザルツマン法を用いて、一酸化窒素と二酸化窒素を分別定量する際は、二酸化窒素を一酸化窒素に還元しなければならない。
3 一酸化窒素は、ヘモグロビンと結合してニトロソヘモグロビンを生成し、血液の酸素運搬能を低下させる。
4 光化学オキシダントの年平均濃度は漸減傾向にあり、全国的に環境基準を達成している。
5 光化学オキシダントの測定では、溶液導電率法によりオゾンを定量する。

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問 134    

 e-REC解説

解答 1、3

1 正
硫酸ミストは、工場などから排出された硫黄酸化物が大気中の水分と反応して亜硫酸となり、さらにオキシダントにより酸化されることによって生成する霧状になった硫酸のことである。硫酸ミストは、他の硫黄酸化物と比べ、目や気道粘膜への刺激が強い。

2 誤
ザルツマン法は、ザルツマン試薬と二酸化窒素の反応で生じたアゾ色素(赤橙色)の吸光度により、窒素酸化物の量を測定する方法である。ザルツマン法を用いて、一酸化窒素を定量する場合、一酸化窒素を過マンガン酸カリウムで酸化させて生じた二酸化窒素にザルツマン試薬を反応させる必要がある。よって、ザルツマン法を用いて、一酸化窒素と二酸化窒素を分別定量する際は、一酸化窒素を二酸化窒素に酸化しなければならない。

3 正
一酸化窒素は、ヘモグロビンとの親和性が高く、ヘモグロビンと結合してニトロソヘモグロビンを生成し、血液の酸素運搬能を低下させる。

4 誤
光化学オキシダントの環境基準達成率はほぼ0%で、全国的に環境基準を達成されていない。

5 誤
光化学オキシダントの測定では、中性KI法によりオゾンを定量する。なお溶液導電率法は、硫黄酸化物の測定に用いられる。

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