平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 242,243

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問 242  正答率 : 50.2%
問 243  正答率 : 86.1%

 国家試験問題

国家試験問題
73歳女性。友人に勧められたミネラルウォーターで医薬品を服用して良いか、かかりつけ薬剤師に相談した。そこで薬剤師は女性のお薬手帳を確認した。現在服用中の薬とミネラルウォーターの成分一覧は以下のとおりであった。

(処方薬1)アレンドロン酸錠35 mg
(処方薬2)ワルファリンK錠1 mg
(処方薬3)グリメピリド錠1 mg
(処方薬4)アセトアミノフェン錠300 mg
(処方薬5)シプロフロキサシン錠200 mg

スクリーンショット 2019-07-18 11.12.52.png

問242(衛生)
このミネラルウォーターの総硬度(mg/L)はどれか。1つ選べ。ただし原子量は以下のとおりとする。
H 1.00、C 12.0、O 16.0、Na 23.0、K 39.1、Mg 24.3、Ca 40.0

1 110
2 140
3 300
4 1,100
5 1,400


問243(実務)
このミネラルウォーターで服用すると吸収に影響があると考えられる処方薬はどれか。2つ選べ。

1 アレンドロン酸錠35 mg
2 ワルファリンK錠1 mg
3 グリメピリド錠1 mg
4 アセトアミノフェン錠300 mg
5 シプロフロキサシン錠200 mg

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問 242    
問 243    

 e-REC解説

問242 解答 5

総硬度(mg/L)は、検水中におけるCa2+、Mg2+の量をCaCO3の量に換算して求める。
このミネラルウォーター100 mL中に含まれるCaとMgのモル濃度(mmol/100 mL)は以下のとおりである。

スクリーンショット 2019-07-18 11.13.02.png

CaとMgの量1.4 mmol/100 mL(1.1 mmol+0.3 mmol)をCaCO3(分子量100 mg/mmol)量に換算すると1.4 mmol/100 mL×100 mg/mmol=140 mg/100 mLとなる。これを1 Lあたりに換算すると1,400 mg/Lとなる。


問243 解答 1、5

我が国の水道水の水質基準において、硬度は300 mg/L以下と設定されている。本問のミネラルウォーターは、硬度が1,400 mg/Lであるため、水道水と比較するとCa、Mgの含量が多い。
CaやMgなどの多価金属カチオンとキレートを形成して吸収が低下するおそれのある医薬品には、ビスホスホネート製剤やニューキノロン系抗菌薬、テトラサイクリン系抗菌薬などがある。
本患者が、現在服用中の薬をこのミネラルウォーターで服用すると吸収に影響があると考えられるのは、ビスホスホネート製剤のアレンドロン酸錠とニューキノロン系抗菌薬のシプロフロキサシン錠である。

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