平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 238,239

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問 238  正答率 : 71.5%
問 239  正答率 : 95.5%

 国家試験問題

国家試験問題
小学生が大麻を吸引した事件が起きた。事件が発生した地域の学校薬剤師会の依頼により麻薬取締官が、学校薬剤師を集めて大麻の成分、作用や分析法について講義を行った。

問238(衛生)
大麻に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 乾燥させた大麻の葉は、一般にマリファナと呼ばれる。
2 大麻の向精神作用の本体は、テトラヒドロカンナビノールである。
3 大麻の向精神作用の本体は代謝されにくいため、尿中から主として未変化体が検出される。
4 大麻使用の有無を簡易検査するには、尿を検体とするキットが用いられる。
5 大麻成分の分析には、ガスクロマトグラフ法や高速液体クロマトグラフ法が用いられる。


問239(実務)
後日、学校薬剤師が保護者への説明会で伝えるべき大麻の特徴や問題点として正しいのはどれか。2つ選べ。

1 異常に強い幸福感を感じたり、そこにいないはずの人や物が見えたりする。
2 乱用を止めても、以前使用していた時の感覚が突然よみがえることがある。
3 大麻は栽培しても処罰の対象にならない。
4 精神依存はなく、身体依存が主である。

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問 238    
問 239    

 e-REC解説

問238 解答 3

1 正しい
乾燥させた大麻の葉は、一般にマリファナと呼ばれ、乾燥した樹脂はハシシと呼ばれる。

2 正しい
大麻の向精神作用の本体は、テトラヒドロカンナビノール(THC)であり、幻覚作用を有する。

3 誤っている
THCは、水酸化やグルクロン酸抱合を受けやすく、尿中に未変化体がほとんど検出されない。

4 正しい
大麻の簡易スクリーニング予試験法として、抗原抗体反応を利用した金コロイド粒子免疫法(トライエージDOA)がある。検体に尿を用いて、複数の乱用薬物(コカイン、覚せい剤、モルヒネ、大麻など)や薬毒物(バルビツール酸類、三環系抗うつ剤など)の検出が可能である。

5 正しい
大麻の精度の高い分析法として、ガスクロマトグラフ法や高速液体クロマトグラフ法が用いられる。


問239 解答 1、2

1 正
大麻の摂取により、異常に強い幸福感(多幸感)を感じたり、そこにいないはずの人やものが見えたり(幻覚)する。

2 正
大麻の乱用を止めても、以前使用していた時の感覚が突然よみがえることがある。これをフラッシュバックという。

3 誤
大麻は、大麻取扱法により、大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならないとされている。大麻取扱者以外の者が栽培を行なった場合は罰せられる。

4 誤
大麻は身体依存はなく、精神依存が主である。

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