平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
必須問題 - 問 32

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問 32  正答率 : 75.5%

 国家試験問題

国家試験問題
高血圧症治療薬の作用機序でないのはどれか。1つ選べ。

1 レニン阻害
2 アンギオテンシン変換酵素阻害
3 アルドステロン受容体遮断
4 アドレナリンα1受容体刺激
5 アドレナリンα2受容体刺激

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問 32    

 e-REC解説

解答 4

1 作用機序である
レニンは、アンギオテンシノーゲンからアンギオテンシンⅠへの変換に関与する酵素である。レニンを阻害すると、アンギオテンシンⅠ及びアンギオテンシンⅡの濃度が低下し、血圧が低下する。レニン阻害薬としてアリスキレンが高血圧症治療薬として用いられている。

2 作用機序である
アンギオテンシン変換酵素は、アンギオテンシンⅠからアンギオテンシンⅡへの変換に関与する酵素である。アンギオテンシン変換酵素を阻害すると、アンギオテンシンⅡの濃度が低下し、血圧が低下する。アンギオテンシン変換酵素阻害薬としてカプトプリルなどが高血圧症治療薬として用いられている。

3 作用機序である
アルドステロン受容体は、腎臓に存在し、アルドステロンによって刺激されると水やNaの再吸収を促進し、体液量を増加させ血圧が上昇する。そのため、アルドステロン受容体を遮断することで血圧が低下する。アルドステロン受容体遮断薬としてスピロノラクトンなどが高血圧症治療薬として用いられている。

4 作用機序でない
アドレナリンα1受容体刺激は、高血圧症治療薬の作用機序ではなく、低血圧症治療薬の作用機序である。アドレナリンα1受容体は血管に存在し、ノルアドレナリンによって刺激されると血管平滑筋を収縮させ血圧が上昇する。アドレナリンα1受容体刺激薬としてミドドリンなどが低血圧症治療薬として用いられている。

5 作用機序である
アドレナリンα2受容体はアドレナリン作動性神経終末に存在し、ノルアドレナリンによって刺激されるとノルアドレナリン遊離が抑制され血圧が低下する。アドレナリンα2受容体刺激薬としてメチルドパなどが高血圧症治療薬として用いられている。

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