令和02年度 第105回 薬剤師国家試験問題
必須問題 - 問 48

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問 48  正答率 : 76.7%

 国家試験問題

国家試験問題
濃度0.01 mol/kgの水溶液にしたとき、凝固点降下度が最も大きいのはどれか。1つ選べ。

1 D−グルコース
2 L−アスコルビン酸ナトリウム
3 L−ロイシン
4 塩化カルシウム
5 塩化ナトリウム

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問 48    

 e-REC解説

解答 4

凝固点降下度ΔTfは①式で表すことができ、ΔTfは溶質の質量モル濃度m(mol/kg)とvan’t Hoff係数iに比例する。

ΔTf=Kf・i・m…①
(i:van’t Hoff係数、Kf:モル凝固点降下定数(溶媒が水の場合、1.86 K・kg/mol))

設問文より「濃度0.01 mol/kgの水溶液」とあるため、m=0.01 mol/kg、Kf=1.86 K・kg/molとなり①式を変換すると②式となる。

ΔTf=0.01 mol/kg・i・1.86 K・kg/mol…②

また、van’t Hoff係数iとは溶解による溶質粒子数の増加率を表し、③式で表すことができる。

i=1+(n−1)・α…③
(α:電解質の解離度、n:解離後のイオン数)

非電解質であるD−グルコース(選択肢1)、L−ロイシン(選択肢3)は溶液中で解離しないため、α=0であり③式に代入するとi=1となり、②式よりΔTf=0.01 mol/kg・1・1.86 K・kg/mol =0.0186 Kとなる。
電解質であるL−アスコルビン酸ナトリウム(選択肢2)と塩化ナトリウム(選択肢5)は解離後のイオンの数n=2であり、③式に代入するとi=1+αとなり、ΔTf=0.01 mol/kg・(1+α)・1.86 ・kg/mol =0.0186・(1+α) Kで表される。
また、電解質である塩化カルシウム(選択肢4)は解離後のイオンの数n=3であり、③式に代入すると
i=1+2αとなり、ΔTf=0.01 mol/kg・(1+2α)・1.86 K・kg/mol =0.0186・(1+2α) Kで表される。
したがって、設問における物質のうち濃度0.01 mol/kgの水溶液にしたとき、凝固点降下度が最も大きいのは塩化カルシウムである。

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