令和02年度 第105回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 180

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問 180  正答率 : 43.5%

 国家試験問題

国家試験問題
図は薬物Aの水和物について昇温過程で熱重量測定(TG)及び示差走査熱量測定(DSC)を行った結果である。薬物Aに関する記述のうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物Aには水和物、無水物ともに結晶多形は存在しない。
スクリーンショット 2020-06-12 12.38.35.png
1 温度アでみられるDSC曲線の吸熱ピークは、薬物Aの水和物からの結晶水の脱離に基づいている。
2 温度アの付近において、薬物Aは融解する。
3 温度イの付近において、薬物Aの水和物からの結晶水の脱離が起きる。
4 温度イの付近において、薬物Aは結晶化する。
5 温度ウを超えて観測される質量変化は、薬物Aの気化に基づいている。

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問 180    

 e-REC解説

解答 1

熱重量測定(TG)は、試料の温度変化に伴う、脱水、昇華、吸着または脱離などによる質量変化を測定する。示差走査熱量測定(DSC)は、試料と基準物質との加熱又は冷却したときに生じる両者間の温度差をゼロにするために必要な熱量を測定する方法である。以下にそれぞれの測定結果からわかることを示す。
スクリーンショット 2020-06-12 12.38.44.png
温度アのとき、吸熱に伴い、質量が減少している。薬物Aは水和物であるため、脱水(結晶水の脱離)により質量が減少していると考えられる。
温度イのとき、吸熱のみ生じており、質量変化は起きていないため、薬物Aの融解が起きていると考えられる。
温度ウのとき、発熱に伴い、質量が減少しているため、薬物Aの分解が起きていると考えられる。

1 正
前記参照

2 誤
温度イの付近において、薬物Aは融解する。

3 誤
温度アの付近において、薬物Aの水和物からの結晶水の脱離が起きる。

4 誤
温度イの付近において、薬物Aは融解しており、結晶化は起きていない。

5 誤
温度ウを超えて観測される質量変化は、薬物Aの分解に基づいている。

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