令和02年度 第105回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 124

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問 124  正答率 : 64.3%

 国家試験問題

国家試験問題
食品添加物A〜Dに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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1 A〜Dのいずれかを含む食品にその物質名を表示する場合、用途名も必ず併記しなければならない。
2 Aは酸型の保存料である。
3 Bは海外でポストハーベスト農薬として使用されているが、我が国では食品添加物の防かび剤に指定されている。
4 Cは脂溶性の酸化防止剤である。
5 DはpHによって効果が変化しない保存料である。

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問 124    

 e-REC解説

解答 1、3

食品添加物Aは酸化防止剤(没食子酸プロピル)、Bは防かび剤(チアベンダゾール)、Cは甘味料(アセスルファムカリウム)、Dは保存料(デヒドロ酢酸ナトリウム)である。

1 正
食品添加物は、その分類ごとに表記方法が異なる。食品表示法に基づき、食品添加物の8用途(甘味料、保存剤、着色料、防かび剤、発色剤、酸化防止剤、増粘剤、漂白剤)については用途名と物質名を併記することが義務付けられている。香料、酸味料など14種類は一括名表示が認められている。

2 誤
食品添加物Aは、酸化防止剤として用いられる没食子酸プロピルである。なお、食品添加物D(デヒドロ酢酸ナトリウム)は、酸性条件下で静菌作用(細菌の増殖を抑える)を示す酸型の保存料である。

3 正
食品添加物Bは、防かび剤として用いられるチアベンダゾールである。海外では、農作物を輸出する際、輸送中の農作物の害虫による被害などを防止する目的で農作物の収穫後に農薬を散布(ポストハーベスト農薬:収穫後農薬)することがある。我が国では、ポストハーベスト農薬の使用は認められていないが、輸入する農作物にポストハーベスト農薬が使用されている場合があるため、海外で利用されているポストハーベスト農薬の一部(チアベンダゾール、ジフェニル、オルトフェニルフェノールなど)を我が国では食品添加物である防かび剤として指定している。

4 誤
食品添加物Cは、甘味料として用いられるアセスルファムカリウムである。なお、脂溶性の酸化防止剤には還元剤のアスコルビン酸や金属封鎖剤のEDTA四酢酸カルシウム二ナトリウムなどがある。
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5 誤
食品添加物Dは、保存料として用いられるデヒドロ酢酸ナトリウムである。保存料は微生物の増殖を抑制する作用(静菌作用)を持ち、微生物の細胞膜を通過することにより効果を発揮する。デヒドロ酢酸ナトリウムは、pHが低い方で分子形を示す酸型保存料であるため、pHが低い方が効果は高い(解説2参照)。なお、pHによって効果が変化しない保存料には、パラオキシ安息香酸エステルなどがある。
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