平成27年度 第100回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 101

Pin Off  未ブックマーク   
問 101  正答率 : 57.2%

 国家試験問題

国家試験問題
有機化合物1〜5がそれぞれ100 mg溶解しているジエチルエーテル(エーテル)溶液100 mLについて、エーテルと同体積の各水溶液を用いて、分液ロートによる以下の抽出操作を行った。主としてエーテル層Aに含まれる有機化合物はどれか。1つ選べ。

スクリーンショット 2016-06-30 20.02.53.png

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 101    

 e-REC解説

解答 5

選択肢にある構造式は、1:安息香酸、2:フェノール、3:エチレングリコール、4:アニリン、5:ジフェニルアミンである。
抽出操作は、
①飽和NaHCO3水溶液を用いる分液操作、
②2 mol/L NaOH水溶液を用いる分液操作、
③2 mol/L 塩酸を用いる分液操作で行われている。

各操作で、水層とエーテル層に移行する物質を以下に示す。
①飽和 NaHCO3水溶液(弱アルカリ性の水溶液)による分液操作
弱アルカリ性水溶液中
イオン形で存在:安息香酸
分子形で存在:フェノール、エチレングリコール、アニリン、ジフェニルアミン

水層:イオン形で存在する安息香酸、分子形でも水溶性が高いエチレングリコール
エーテル層:分子形で存在するフェノール、アニリン、ジフェニルアミン

②2mol/L NaOH水溶液(強アルカリ性の水溶液)による分液操作
強アルカリ性水溶液中
イオン形で存在:フェノール
分子形で存在:アニリン、ジフェニルアミン

水層:イオン形で存在するフェノール
エーテル層:分子形で存在するアニリン、ジフェニルアミン

③2mol/L塩酸(強酸性水溶液)を用いる分液操作
イオン形で存在:アニリン
分子形で存在:ジフェニルアミン

水層:イオン形で存在するアニリン
エーテル層:分子形で存在するジフェニルアミン

上記の結果より、エーテル層Aに含まれる有機化合物は、ジフェニルアミン(選択肢 5)である。

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします