令和02年度 第105回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 214,215

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問 214  正答率 : 74.3%
問 215  正答率 : 66.9%

 国家試験問題

国家試験問題
22歳男性。身長175 cm、体重60 kg。花粉症の症状がひどくなったので、家族が使用していた一般用医薬品の小青竜湯エキス顆粒の服用を考えたが、陸上競技の国体選手であったため、かかりつけ薬剤師に相談した。薬剤師は、小青竜湯エキス顆粒にはアンチ・ドーピング規定における禁止物質が含まれるため、服用しないよう指示した上で、近隣の医療機関への受診を勧奨した。その結果、次の薬剤が処方されたので、薬剤師が処方監査を行った。
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問214(物理・化学・生物)
小青竜湯エキス顆粒に含まれる成分のうち、アンチ・ドーピング規定における禁止薬物に該当するのはどれか。1つ選べ。
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問215(実務)
処方された薬剤のうち、アンチ・ドーピングの観点から、処方変更を医師に提案すべき薬剤はどれか。1つ選べ。

1 フェキソフェナジン塩酸塩錠
2 ベタメタゾン錠
3 フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液
4 フルオロメトロン点眼液
5 エピナスチン塩酸塩点眼液

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問 214    
問 215    

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問214 解答 3

アンチ・ドーピング規定における禁止薬物は、「禁止表国際基準」として公表されており、下記の薬物が該当する。

【常に禁止される物質〜競技会(時)および競技会外〜】
S0:無承認薬物
S1:蛋白同化薬
S2:ペプチドホルモン、成長因子、関連物質および模倣物質
S3:ベータ2作用薬
S4:ホルモン調節薬および代謝調節薬
S5:利尿薬および隠蔽薬

【競技会(時)に禁止される物質】
S6:興奮薬
S7:麻薬
S8:カンナビノイド
S9:糖質コルチコイド※
(※経口使用、静脈内使用、筋肉内使用又は経直腸使用はすべて禁止)

【特定競技において禁止される物質】
P1:ベータ遮断薬

1 誤
グリチルリチン酸の構造であり、禁止薬物に該当しない。

2 誤
ショウガオールの構造であり、禁止薬物に該当しない。

3 正
エフェドリンの構造であり、興奮薬にあたり、禁止薬物に該当する。

4 誤
メチルオイゲノールの構造であり、禁止薬物に該当しない。

5 誤
シンナムアルデヒドの構造であり、禁止薬物に該当しない。


問215 解答 2

1 誤
フェキソフェナジン塩酸塩錠は、禁止薬物に該当しないため、処方変更を提案する必要はない。

2 正
ベタメタゾン錠は、経口使用の糖質コルチコイドにあたり、禁止物質に該当するため、処方変更を提案すべきである。

3 誤
フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液は、糖質コルチコイドにあたるが、点鼻使用は禁止されていないため、処方変更を提案する必要はない。

4 誤
フルオロメトロン点眼液は、糖質コルチコイドにあたるが、点眼使用は禁止されていないため、処方変更を提案する必要はない。

5 誤
エピナスチン塩酸塩点眼液は、禁止薬物に該当しないため、処方変更を提案する必要はない。

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