令和03年度 第106回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 95

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問 95  正答率 : 63.8%

 国家試験問題

国家試験問題
アミノ酸は両性化合物であり、その等電点(pI)と電荷はイオン交換クロマトグラフィーや等電点電気泳動における分離挙動を決定する因子となる。下に3つのアミノ酸の構造式とpKa値を示す。これらのアミノ酸の等電点と電荷に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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*pKa1はα炭素に結合しているカルボキシ基のpKa、pKa2はα炭素に結合しているアミノ基のpKa、pKRは側鎖部分のpKaである。

1 アミノ酸AのpIは、約5.98である。
2 アミノ酸BのpIは、約5.61である。
3 アミノ酸Aは、pH2.33の緩衝液中では負電荷を持つ。
4 アミノ酸Bは、pH5.61の緩衝液中では正電荷を持つ。
5 アミノ酸Cは、pH3.22の緩衝液中では正電荷を持つ。

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問 95    

 e-REC解説

解答 1、4

等電点とは、アミノ酸などの両性化合物の実効電荷が0となるpHである。アミノ酸の実効電荷は、溶液のpHに依存し下記のように変化する。
<アミノ酸の実効電荷>
スクリーンショット 2021-06-09 17.59.04.png


1 正
アミノ酸Aは、ロイシンであり溶液中で下記のような変化をする。
スクリーンショット 2021-06-09 18.23.09.png

アミノ酸AのpIは、pKa1とpKa2の平均とほぼ等しくなるため約5.98である。
スクリーンショット 2021-06-09 18.23.30.png


2 誤
アミノ酸Bは、アルギニンであり溶液中で下記のような変化をする。
スクリーンショット 2021-06-09 18.23.47.png

アミノ酸BのpIは、pKa2とpKRの平均とほぼ等しくなるため約10.76である。
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3 誤
アミノ酸A(pI約5.98)は、pH2.33の緩衝液中では正電荷を持つ。

4 正
アミノ酸B(pI約10.76)は、pH5.61の緩衝液中では正電荷を持つ。

5 誤
アミノ酸Cは、グルタミン酸であり溶液中で下記のような変化をする。
スクリーンショット 2021-06-09 18.27.16.png

アミノ酸CのpIは、pKa1とpKRの平均とほぼ等しくなるため約3.22である。
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アミノ酸C(pI約3.22)は、pH3.22の緩衝液中では実効電荷が0となる。

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