令和03年度 第106回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 164

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問 164  正答率 : 65.1%

 国家試験問題

国家試験問題
消化器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ナファモスタットは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害して、膵臓の自己消化を抑制する。
2 ウルソデオキシコール酸は、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害して、Oddi括約筋を弛緩させ、胆汁分泌を抑制する。
3 アスナプレビルは、C型肝炎ウイルスのNS5A複製複合体を阻害して、抗ウイルス活性を示す。
4 ペグインターフェロン アルファ−2aは、免疫細胞を活性化して、ウイルス感染細胞を傷害する作用により、B型及びC型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。
5 エンテカビルは、ウイルスの増殖に必要なNS3/4Aプロテアーゼを阻害して、B型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。

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問 164    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
ナファモスタットは、タンパク質分解酵素阻害薬であり、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害して、膵臓の自己消化を抑制する。急性膵炎の病態に関与するトリプシンなどのタンパク質分解酵素を阻害するため、急性膵炎の治療に用いられる。

2 誤
ウルソデオキシコール酸は、利胆薬であり、肝臓からの胆汁分泌を促進するため、胆道系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患などの治療に用いられる。なお、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害して、Oddi括約筋を弛緩するのは、フロプロピオンである。

3 誤
アスナプレビルは、C型肝炎ウイルス遺伝子にコードされる複合タンパク質のプロセシング及びウイルス複製に必須なNS3/4Aプロテアーゼを阻害するため、C型肝炎の治療に用いられる。なお、C型肝炎ウイルスのNS5A複製複合体を阻害して、抗ウイルス活性を示すのは、レジパスビルなどである。

4 正
ペグインターフェロン アルファ−2aは、ウイルス感染細胞表面の受容体に結合することで、オリゴアデニル酸、プロテインキナーゼやホスホジエステラーゼ等、種々の抗ウイルスタンパク質の合成を誘導する。その結果、免疫細胞を活性化して、ウイルス感染細胞を傷害する作用を示すため、B型及びC型肝炎ウイルスの治療に用いられる。

5 誤
エンテカビルは、B型肝炎ウイルス感染細胞内でリン酸化され、DNAポリメラーゼ阻害作用を示すため、B型肝炎ウイルスの治療に用いられる。

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