令和03年度 第106回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 177

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問 177  正答率 : 51.3%

 国家試験問題

国家試験問題
表に示す特性を有する2種類の水溶性薬物の結晶性粉体A、Bがある。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、粉体A、Bはいずれも結晶粒子内に空隙はなく、粒子密度と真密度は等しいものとする。また、粉体AとBの相互作用はないものとする。

スクリーンショット 2021-06-16 11.45.35.png

1 疎充てん時において、粉体Aのかさ比容積は粉体Bの2倍以上である。


2 疎充てん時において、粉体Aのかさ密度は粉体Bの2倍以上である。


3 粉体AとBの粒子形状が同じである場合、粉体Aの比表面積は粉体Bの2倍以上である。


4 70%の相対湿度下では、粉体Bの方が著しく吸湿しやすい。


5 粉体Aと粉体Bを1:3の質量比で混合した粉体の臨界相対湿度は65%である。

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問 177    

 e-REC解説

解答 2、4

1 誤
かさ比容積(cm3/ g)とは、粉体の単位質量(1 g)あたりの粉体のかさ容積(cm3)のことであり、①式より求めることができる。

スクリーンショット 2021-06-16 11.45.45.png

また、粉体のかさ容積Vは②式より求めることができる。

スクリーンショット 2021-06-16 11.45.52.png

さらに、粉体の真の容積Vは③式より求めることができる。

スクリーンショット 2021-06-16 11.45.59.png

①式に②式、③式を代入すると④式となる。

スクリーンショット 2021-06-16 11.46.05.png

④式を用いて、粉体Aならびに粉体Bのかさ比容積を求める。
<粉体Aのかさ比容積>
設問中の表より、粉体Aの充てん率=0.8、真密度ρ=1.6(g/cm3)を④式に代入する。

スクリーンショット 2021-06-16 11.46.13.png

<粉体Bのかさ比容積>
設問中の表より、粉体Bの充てん率=0.5、真密度ρ=1.2(g/cm3)を④式に代入する。

スクリーンショット 2021-06-16 11.46.21.png

したがって、疎充てん時において、粉体Aのかさ比容積は粉体Bの約0.47倍(0.78/1.67)である。


2 正
粉体のかさ密度ρ(g/cm3)は、⑤式より求めることができる。

 ρ(g/cm3)=充てん率×ρ(g/cm3)…⑤

⑤式を用いて、粉体Aならびに粉体Bのかさ密度ρ(g/cm3)を求める。
<粉体Aのかさ密度ρ(g/cm3)>
設問中の表より、粉体Aの真密度ρ=1.6(g/cm3)、充てん率=0.8を⑤式に代入する。

 ρ(g/cm3)=0.8×1.6(g/cm3)=1.28(g/cm3

<粉体Bのかさ密度(g/cm3)>
設問中の表より、粉体Bの真密度ρ=1.2(g/cm3)、充てん率=0.5を⑤式に代入する。
ρ(g/cm3)=0.5×1.2(g/cm3)=0.6(g/cm3

したがって、疎充てん時において、粉体Aのかさ密度は粉体Bの2倍以上(1.28/0.6)である。

3 誤
粉体の比表面積Sw(cm2/g)とは、粉体の単位質量(1 g)あたりの粉体の表面積S(cm2)のことであり、⑥式より求めることができる。

スクリーンショット 2022-09-02 20.17.16.png

⑥式を用いて、粉体Aならびに粉体Bの比表面積Sw(cm2/g)を求める。
<粉体Aの比表面積Sw(cm2/g)>
設問中の表より粉体A真の密度ρ=1.6(g/cm3)、平均粒子径d=100 µmを⑥式に代入する。

スクリーンショット 2022-09-02 20.17.24.png

<粉体Bの比表面積Sw(cm2/g)>
設問中の表より粉体B真の密度ρ=1.2(g/cm3)、平均粒子径d=50 µmを⑥式に代入する。

スクリーンショット 2022-09-02 20.17.33.png

したがって、粉体AとBの粒子形状が同じ(kが同じ値)である場合、粉体Aの比表面積は粉体Bの約0.37倍(62.5k/166.7k)である。

4 正
臨界相対湿度(CRH)とは、水溶性物質において急激に吸湿が増大するときの相対湿度のことであり、CRHが小さい粉体ほど吸湿しやすい。したがって、70%の相対湿度下では、粉体A(CRHA=80%)に比べて粉体B(CRHB=60%)の方が著しく吸湿しやすい。

5 誤
水溶性薬物の結晶性粉体A、Bを混合するとき、混合した粉体の臨界相対湿度(CRHAB)は粉体の混合比に関わらず、各粉体の臨界相対湿度(CRHA、CRHB)の積に等しくなる(エルダーの仮設)。したがって、粉体Aと粉体Bを1:3の質量比で混合した粉体の臨界相対湿度(CRHAB)は、CRHA×CRHB=0.8×0.6=0.48(48%)となる。

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