令和03年度 第106回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 202,203

Pin Off  未ブックマーク   
問 202  正答率 : 89.1%
問 203  正答率 : 91.4%

 国家試験問題

国家試験問題
問202〜203
地域医療支援病院として、住民に医療情報を提供するために健康フェアを開催することになった。勤務する薬剤師は、MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査に不安を持つ患者が多いと感じていたため、MRI検査の原理と検査時の注意事項についてのリーフレットを作成することにした。

問202(物理・化学・生物)
リーフレット中のMRI検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 高い磁場中で測定が行われるので、ペースメーカーを植え込んでいる人は検査前に申し出てください。
2 紫外線よりも波長が短い電磁波が身体に照射されますので、被ばくに注意する必要があります。
3 検査に影響するものとして、金属を含んでいる化粧品や刺青があります。
4 脳のような骨に覆われている組織の観察は困難です。
5 ドップラー効果の原理を利用して心臓の動きを観察することもできます。


問203(実務)
貼付剤を貼ったままMRI検査を受けても大丈夫かどうかという質問が多いため、リーフレット中に注意すべき製品を記載することにした。以下の経皮吸収型製剤のうち、貼付したままMRI検査を行うと貼付部位に火傷を起こす可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
スクリーンショット 2021-06-30 15.16.26.png

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 202    
問 203    

 e-REC解説

問202 解答 1、3

MRIは、核磁気共鳴法ともよばれラジオ波と強力な磁石を用い、生体内に含まれる水や脂肪中の水素原子核(プロトン)の磁気緩和時間の差を画像化する検査法である。

1 正
MRI検査では、強力な磁石における高磁場中で測定するためペースメーカーの機能に影響を与える可能性が高くペースメーカーを植え込んでいる人は検査前に申し出る必要がある。

2 誤
MRI検査では、紫外線よりも波長が長い電磁波(ラジオ波)が身体に照射されるが、ラジオ波は放射線ではないため被ばくに注意する必要はない。

3 正
MRI検査では、強力な磁石を用いるため、金属を含んでいる化粧品を塗っている部位や、刺青をしている部位に火傷を引き起こす恐れがある。

4 誤
MRIの特徴は、X線や超音波では測定できない臓器や器官の画像処理ができ、安全性が高いことである。骨にはプロトンがほとんど存在しないため信号がなく、脳のような骨に覆われている組織の画像処理にも適している。

5 誤
ドップラー効果とは、動きのある物体に超音波を照射すると、物体の速度に応じて周波数がずれる現象のことであり、超音波診断法などで利用されている。一方、MRIはラジオ波を用いた診断法であるためドップラー効果の原理を利用できない。


問203 解答 4
MRI検査では、強力な磁石を用いるため金属を含む貼付薬は過度の火傷を引き起こす恐れがある。したがって、ニュープロ®️パッチは、アルミニウムを含むため、貼付部位に火傷を起こす可能性が最も高い。

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします