令和03年度 第106回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 228,229

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問 228  正答率 : 67.7%
問 229  正答率 : 69.1%

 国家試験問題

国家試験問題
問228〜229
60歳男性。高血圧症及び不眠症のため、2週間ごとに近医を受診していた。最近、呼吸困難感及び胸痛を認め、さらに血痰及び喀血を生じたため、精査加療目的で大学病院に入院となった。その後、侵襲性肺アスペルギルス症と診断され、ボリコナゾールによる治療を翌日から開始することになった。入院時の持参薬は以下のとおりである。

アジルサルタン錠20 mg 1回1錠 1日1回 朝食後 14日分
スボレキサント錠20 mg 1回1錠 1日1回 就寝前 14日分

問228(実務)
ボリコナゾール投与開始にあたり、病棟担当薬剤師は持参薬の内容を確認して、病棟担当医に服用する薬剤の変更を提案した。その内容として適切なのはどれか。1つ選べ。

1 アジルサルタン錠をテルミサルタン錠に変更
2 アジルサルタン錠をアムロジピンベシル酸塩錠に変更
3 アジルサルタン錠をアゼルニジピン錠に変更
4 スボレキサント錠をロルメタゼパム錠に変更
5 スボレキサント錠をトリアゾラム錠に変更


問229(衛生)
ボリコナゾールと処方変更前の薬物との相互作用の機序として適切なのはどれか。1つ選べ。

1 プレグナンX受容体(PXR)を介したCYP3A4の誘導
2 P−糖タンパク質の阻害
3 CYP3A4タンパク質との共有結合による阻害
4 CYPのヘム鉄との配位結合による阻害
5 P−糖タンパク質の誘導

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問 228    
問 229    

 e-REC解説

問228 解答 4

ボリコナゾールはCYPのヘム鉄と配位結合し、その活性を阻害するため、CYPにより代謝される薬物との併用には注意が必要である。本患者の持参薬のうち、スボレキサントはCYP3A4により代謝される薬物であり、ボリコナゾールとは併用禁忌である。したがって、スボレキサントを、主にグルクロン酸抱合により代謝されるロルメタゼパムに変更している選択肢4が適切となる。なお、選択肢5のトリアゾラムもCYP3A4により代謝を受けるため、ボリコナゾールとは併用禁忌である。


問229 解答 4

前問解説参照

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