令和04年度 第107回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 169

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問 169  正答率 : 66.3%

 国家試験問題

国家試験問題
線形薬物動態を示す薬物A 10mgを静脈内投与あるいは経口投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)は、それぞれ500 ng・h/mL、150 ng・h/mLであった。経口投与後の薬物Aの消化管上皮細胞への移行率と肝抽出率を算出したところ、それぞれ90%と45%であった。また、胆汁中及び尿中に未変化体薬物は検出されなかった。薬物Aが消化管上皮細胞での代謝を免れる率として、最も近いのはどれか。1つ選べ。

1 10%
2 20%
3 30%
4 60%
5 75%

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問 169    

 e-REC解説

解答 4

薬物Aが消化管上皮細胞での代謝を免れる率は、小腸アベイラビリティFgと呼ばれ、①式で表される。

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また、①式は②式に変換することができる。

スクリーンショット 2022-06-16 11.32.22.png

以下より、バイオアベイラビリティF、消化管上皮細胞への移行率Fa、肝抽出率Ehを求める。

バイオアベイラビリティFは③式で求めることができる。

スクリーンショット 2022-06-16 11.33.06.png

設問文より「薬物A 10mgを静脈内投与あるいは経口投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)は、それぞれ500 ng・h/mL、150 ng・h/mL」とあることから、D経口=D静注=10 mg、AUC静注=500 ng・h/mL、AUC経口=150 ng・h/mLであり、③式に代入しFを求める。

スクリーンショット 2022-06-16 11.34.00.png

さらに、設問文より「経口投与後の薬物Aの消化管上皮細胞への移行率と肝抽出率を算出したところ、それぞれ90%と45%であった。」とあることから、Fa=0.9、Eh=0.45であり、F=0.3と共に②式に代入し、薬物Aが消化管上皮細胞での代謝を免れる率Fg求める。

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