令和04年度 第107回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 278,279

Pin Off  未ブックマーク    |  |  |   
問 278  難易度 :
問 279  難易度 :

 国家試験問題

国家試験問題
72歳男性。経口血糖降下薬を用いた治療を受けていたが、健康診断にて腎機能は正常であるが肝機能の異常を指摘され、精査目的で入院となった。病棟担当薬剤師が入院時持参薬の鑑別結果をもとに初回面談の際に指導を行う予定である。

スクリーンショット 2022-07-05 15.10.40.png

問278(実務)
主治医からの情報で、本患者には肝腫瘍の疑いがあるため、明後日朝にイオパミドール注射液を用いた画像検査が予約されていることが判明した。病棟担当薬剤師が患者に対して行う説明の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 本画像検査に際しメトホルミンの服用は検査前日から休止する。
2 グリセリン浣腸を本画像検査前夜に行う。
3 本剤の主成分はX線吸収能が高いため、腫瘍を明瞭に描出できる。
4 造影剤を使用しても腎機能については特に注意する必要はない。
5 十分な水分補給は画像検査後の強い痒みが出る場合に行う。


問279(薬剤)
イオパミドール注射液には以下の3種類のバイアル製剤がある。これら注射剤の粘度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、37℃における水の粘度0.70 mPa・sとする。

スクリーンショット 2022-07-05 15.11.26.png

1 製剤Aの動粘度は、製剤Bの動粘度より小さい。
2 製剤Bの相対粘度は、製剤Cの相対粘度より小さい。
3 製剤Cの比粘度は、製剤Bの比粘度より小さい。
4 いずれの製剤も、イオン性造影剤に比べて高粘度のため、組織障害性が低減されている。
5 製剤Cの還元粘度は、製剤Bの還元粘度より小さい。

 解説動画  ( 00:00 / 05:40 )

Thumbnail

 05:40 

Thumbnail

 15:24 

 ビデオコントロール

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 278    
問 279    

 e-REC解説

問278 解答 1、3

1 正
イオパミドールなどのヨード造影剤とメトホルミン塩酸塩錠を併用すると、ヨード造影剤により腎機能が低下し、メトホルミンの腎排泄が低下することで乳酸アシドーシスを起こすことがある。そのため、イオパミドールを用いる画像検査を実施する前にメトホルミン塩酸塩錠の投与を一時的に中止する必要がある。

2 誤
グリセリン浣腸を本画像検査前夜に行う必要はない。

3 正

4 誤
イオパミドールは主として腎排泄される薬物であり、腎機能低下患者では排泄遅延が原因で急性腎障害等、腎機能を急激に悪化させる可能性がある。したがって、腎機能について注意する必要がある。

5 誤
イオパミドール投与により、腎機能低下が生じる可能性があるため、画像検査後の痒みの有無に関わらず、十分な水分補給を行う必要がある。


問279 解答 1、2

粘度には、動粘度ν、相対粘度ηrel、比粘度ηsp、還元粘度ηredがありそれぞれについて下記にまとめる。
動粘度νは、溶液の粘度ηを溶液の密度ρで除したものであり、①式で表される。

νηρ・・・①

イオパミドール注射液の製剤A、B、Cの動粘度νを設問中の数値を用いて求める。

A:ν=1.5 mPa・s/1,171 kg/m3≒1.28×10-3 mm2/s
B:ν=4.4 mPa・s/1,328 kg/m3≒3.31×10-3 mm2/s
C:ν=9.1 mPa・s/1,405 kg/m3≒6.48×10-3 mm2/s

相対粘度ηrelは、溶液の粘度ηを溶媒の粘度η0で除したものであり、②式で表される。

ηrelηη0・・・②

イオパミドール注射液の製剤A、B、Cの相対粘度ηrelを設問中の数値を用いて求める。

A:ηrel=1.5 mPa・s/0.70 mPa・s≒2.14
B:ηrel=4.4 mPa・s/0.70 mPa・s≒6.29
C:ηrel=9.1 mPa・s/0.70 mPa・s=13

比粘度ηspは、相対粘度ηrelから1を引いた値で表したものであり、③式で表される。

ηspηrel-1・・・③

イオパミドール注射液の製剤A、B、Cの比粘度ηspを設問中の数値を用いて求める。

A:ηsp=2.14-1=1.14
B:ηsp=6.29-1=5.29
C:ηsp=13-1=12

還元粘度ηredは、比粘度ηspを溶液の濃度Cで除したものであり、④式で表される。

ηredηsp/C・・・④

イオパミドール注射液の製剤A、B、Cの還元粘度ηredを設問中の数値を用いて求める。

A:ηred=1.14/306.2 mg/mL=3.7×10-3
B:ηred=5.29/612.4 mg/mL=8.6×10-3
C:ηred=12/755.2 mg/mL=15.9×10-3

1 正
製剤Aの動粘度は、製剤Bの動粘度より小さい。

2 正
製剤Bの相対粘度は、製剤Cの相対粘度より小さい。

3 誤
製剤Cの比粘度は、製剤Bの比粘度より大きい。

4 誤
イオパミドールは、非イオン性造影剤であり、イオン性造影剤に比べて低粘度であるため、組織障害性が低減されている。

5 誤
製剤Cの還元粘度は、製剤Bの還元粘度より大きい。

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします