令和04年度 第107回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 335

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問 335  正答率 : 62.2%

 国家試験問題

国家試験問題
原疾患に対して用いられる薬物が、併発症の欄に記載されている疾患を有する場合であっても使用可能なのはどれか。1つ選べ。

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問 335    

 e-REC解説

解答 4

1 誤
カルベジロールは、アドレナリンα1・β受容体遮断薬であり、末梢血管平滑筋のアドレナリンα1受容体遮断による血管拡張作用と、心臓のアドレナリンβ1受容体遮断による心機能抑制作用及び、腎臓の傍糸球体細胞のアドレナリンβ1受容体遮断によるレニン分泌抑制作用により、高血圧症に用いる。本薬剤は、β受容体遮断作用により気管支を収縮させるため、気管支ぜん息の患者には禁忌である。

2 誤
チキジウム臭化物は、抗コリン薬であり、胃のムスカリン性アセチルコリンM3受容体遮断により、胃痙れんに用いる。本薬剤は、抗コリン作用により眼圧を上昇させるため、閉塞隅角緑内障の患者には禁忌である。

3 誤
クエチアピンフマル酸塩は、多元受容体標的化抗精神病薬(MARTA)であり、ドパミンD2受容体、セロトニン5-HT2A受容体、ヒスタミンH1受容体、アドレナリンα1受容体など多くの受容体の遮断により、統合失調症の陽性症状と陰性症状に用いる。本薬剤は、著しい血糖上昇を副作用として起こす可能性があるため、糖尿病の患者には禁忌である。

4 正
ベルベリン塩化物は、止瀉薬であり、腸内有害細菌に対する殺菌作用により、下痢症に用いる。本薬剤は、低カリウム血症を悪化させるとの報告はないため、低カリウム血症の患者にも使用できる。

5 誤
ミラベグロンは、選択的アドレナリンβ3受容体作動性過活動膀胱治療薬であり、膀胱平滑筋のアドレナリンβ3受容体を刺激し、膀胱を弛緩させることで蓄尿機能を亢進し、過活動膀胱に用いる。本薬剤は、心拍数増加等が報告されているため、重篤な心疾患を有する患者には禁忌である。

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