令和04年度 第107回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 338

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問 338  正答率 : 75.5%

 国家試験問題

国家試験問題
10歳男児。体重30 kg。1週間前より微熱と咳嗽があり、近医を受診した。感冒との診断を受け、咳止めと解熱剤を処方されて帰宅した。2、3日前より咳嗽と喀痰が次第に強くなり、微熱も持続するため再度受診し胸部レントゲン検査を実施したところ炎症所見が観察され、大学病院へ搬送入院となった。入院後PCR検査の結果、マイコプラズマ肺炎の診断を受けた。以下が入院日の処方である。

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薬剤師が訪室し、母親に服薬指導を実施することになった。服薬指導する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 処方1を内服する場合、水で飲めない場合にはジュースやヨーグルトでもよい。
2 処方1と処方2を一緒に内服すると苦味が強くなる可能性があるため、間隔をあけて飲ませる。
3 処方2は、痰が出なくなったら中止してもよい。
4 処方3を吸入中は、顔色や呼吸の様子に注意を払い、気分が悪くなったり呼吸が苦しくなったりしたら中止する。
5 処方3の1回の吸入終了後も、咳がひどいようであれば、直ちに2回分吸入を実施してもよい。

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問 338    

 e-REC解説

解答 2、4

1 誤
クラリスロマイシンシロップ用は、クラリスロマイシンの苦味を防ぐための製剤設計が施してあるが、酸性飲料(オレンジジュース、スポーツ飲料等)で服用した場合には、苦味が発現することがあるため、「水で飲めない場合にはジュースやヨーグルトでもよい」と服薬指導することは不適切である。

2 正
カルボシステインドライシロップ用は酸性製剤であり、クラリスロマイシンシロップ用と一緒に内服することでクラリスロマイシンの苦味が発現する可能性があるため、「間隔をあけて飲ませる」と服薬指導することは適切である。

3 誤
カルボシステインドライシロップ用は、粘液成分の調整と粘膜の正常化を目的に投与する。薬剤師は、患者に用法・用量を守るよう服薬指導する必要があるため、「痰が出なくなったら中止しても良い」と服薬指導することは不適切である。

4 正
サルブタモール硫酸塩吸入液は、重篤な副作用として、低カリウム血症やアナフィラキシーショックが起こる可能性がある。そのため、「サルブタモール硫酸塩吸入液を吸入中は、顔色や呼吸の様子に注意を払い、気分が悪くなったり呼吸が苦しくなったりしたら中止する」と服薬指導することは適切である。

5 誤
サルブタモール硫酸塩吸入液は、過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあり、特に発作発現時の吸入投与の場合には使用が過度になりやすいので、十分に注意することとされている。そのため、「1回の吸入終了後も、咳がひどいようであれば、直ちに2回分吸入を実施してもよい」と服薬指導することは不適切である。

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