令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 122

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問 122  正答率 : 83.0%

 国家試験問題

国家試験問題
下図は、我が国における胃、肝臓、膵臓、大腸及び肺の悪性新生物による粗死亡率(人口10万対)の年次推移を示したものである。部位a〜eの悪性新生物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

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1 aは大腸である。
2 bの悪性新生物のリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられる。
3 cの悪性新生物が1990年代後半まで増加した主な要因として、ヒトパピローマウイルス感染が考えられる。
4 dの悪性新生物のリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足などによる肥満があげられる。
5 eは肺である。

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問 122    

 e-REC解説

解答 2、4

1 誤
aは肺である。
2021年(令和3年)における部位別に見た悪性新生物の粗死亡率において、肺は男性で1位、女性で2位であり、男女ともに近年増加傾向にある。

2 正
bは胃である。
胃がんのリスクファクターとして、ヘリコバクター・ピロリ感染や食塩の過剰摂取や高濃度のアルコール摂取などが挙げられる。また、胃がんの粗死亡率は、医療技術の進歩による早期発見・早期治療、塩分摂取量の減少等の食生活の変化によって男女ともに近年減少傾向にある。

3 誤
cは肝臓である。
肝臓がんによる粗死亡率が1990年代後半まで増加した主な要因として、輸血等によるC型肝炎ウイルス(HCV)感染が挙げられる。全献血血液に対するHCV抗体検査の開始やインターフェロン製剤の登場もあって、肝臓がんによる粗死亡率は、男女ともに近年減少傾向にある。なお、人パピローマウイルス感染がリスク要因となる悪性新生物は、子宮頸がんである。

4 正
dは大腸である。
大腸がんのリスクファクターとしては、食生活の欧米化や運動不足による肥満などが挙げられる。2021年(令和3年)における部位別に見た悪性新生物の粗死亡率において、大腸は男性で2位、女性で1位であり、男女ともに近年増加傾向にある。

5 誤
eは膵臓である。
膵臓がんのリスクファクターとしては、肥満、喫煙、慢性膵炎、糖尿病などがあり、近年男女ともに増加傾向にある。

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