令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 171

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問 171  正答率 : 73.4%

 国家試験問題

国家試験問題
プロドラッグとその親化合物及びプロドラッグ化の目的の組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。

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問 171    

 e-REC解説

解答 3、4

プロドラッグは、薬物のもつ欠点を改善するためにその化学構造を修飾し、化学的、物理的性質を変えた薬物の前駆体のことである。プロドラッグは、吸収性や体内移行性の改善、作用の持続化、副作用の軽減など多くの目的に用いられる。本設問のプロドラッグ、親化合物及び目的を下記にまとめる。

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1 誤
ドパミンは、血液脳関門を通過することができないため標的組織(中枢神経系)への移行性が低い。レボドパは、アミノ酸構造を有するため、アミノ酸トランスポーターを介して脳内に移行することができる。

2 誤
チアミンは、フルスルチアミンにすることで脂溶性が増大し、腸内細菌が産生する分解酵素(アノイリナーゼ)に対して安定することで消化管吸収が増大する。

3 正
テガフールは、肝臓で5-FUに変換され、5-FUの血中及び組織内濃度が長時間持続する。

4 正
バラシクロビルは、アシクロビルのヒドロキシ基をL-バリンエステルにすることで、ペプチドトランスポーターによる消化管吸収が増大する。

5 誤
バカンピシリンは、アンピシリンのカルボキシ基をエステル化することで脂溶性が増大し、消化管吸収が増大する。

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