令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 119,120,121

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問 119  難易度 :
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 国家試験問題

国家試験問題
問119〜121
糖化反応は生体内や食品中で起こる普遍的な反応である。糖尿病の診断に用いられ、血糖コントロールの状態を把握するマーカーである糖化ヘモグロビン(HbA1c)の生成にも、この反応が関わっている。

問119(物理・化学・生物)
グルコースはヘモグロビンAのβ鎖N末端のアミノ基と反応し、化合物アを与えたのち、HbA1cとなる。化合物アの構造として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

スクリーンショット 2023-06-06 11.50.31.png



問120(物理・化学・生物)
HbA1cに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 HbA1cの生成には酵素が必要である。
2 HbA1cの生成はグルコース濃度に依存する。
3 HbA1cは、非酵素的にグルコースとヘモグロビンAに解離する。
4 グルコースは、赤血球内に移行しにくいので、HbA1cの生成には2〜3ヶ月を要する。
5 HbA1c値は、赤血球寿命の影響を受ける。


問121(衛生)
食品の変質のうち、HbA1cの生成と同様に、糖化反応により起こるのはどれか。2つ選べ。

1 食品が腐敗するとヒスタミンが生成する。
2 ポテトチップスを製造するとアクリルアミドが生成する。
3 砂糖水を150〜200℃で加熱すると茶色く変色する。
4 パンを焼くと茶色く変色する。
5 リンゴの切り口が茶色く変色する。

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問119 解答 4

グルコースの1位のアルデヒド性カルボニル基とヘモグロビンAのβ鎖N末端のアミノ基が求核付加反応後、脱水することで、イミン(シッフ塩基)である化合物アを生成する。その後、転位反応を介して、HbA1cとなる。

スクリーンショット 2023-06-06 11.52.06.png



問120 解答 2、5

糖化ヘモグロビン(HbA1c)は、赤血球内のヘモグロビンにグルコースが非酵素的に結合した糖化タンパク質であり、検査値としてのHbA1c値(全ヘモグロビン中の糖化ヘモグロビンの割合:%)は過去1〜3ヶ月の平均血糖値を反映するため、糖尿病の指標として用いられる。

1 誤
HbA1cの生成は糖化反応(メイラード反応)であるため、非酵素的に進行する。

2 正
HbA1cの生成はグルコース濃度に依存するため、糖尿病の指標として用いられる。

3 誤
HbA1cは化学的に安定であり、グルコースとヘモグロビンAに解離することはない。

4 誤
赤血球の細胞膜にはグルコース輸送体1(GLUT1)が発現しているため、グルコースは、赤血球内に容易に移行する。

5 正
HbA1c値は、赤血球寿命(約120日)の影響を受けるため、過去1〜3ヶ月の平均血糖値を反映する。


問121 解答 2、4

1 誤
食品が腐敗するとヒスタミンが生成するのは、微生物によるアミノ酸の脱炭酸反応による。

2 正
ポテトチップスを製造する際、ジャガイモに多く含まれるアスパラギンが糖と糖化反応(メイラード反応)を起こして、神経障害を引き起こす有害物質であるアクリルアミドを生じる。

3 誤
砂糖水を150〜200℃で加熱すると茶色く変色するのは、カラメル化反応による。カラメル化反応は、糖化反応(メイラード反応)と同様に非酵素的な反応であるが、糖化反応(メイラード反応)と異なり、糖のみで反応が進行する。

4 正
パンを焼くと茶色く変色するのは、糖化反応(メイラード反応)により生じるメラノイジン等の褐色色素による。

5 誤
リンゴの切り口が茶色く変色するのは、リンゴに含まれるオルトジフェノール類(ポリフェノール化合物)が酸化酵素であるポリフェノールオキシダーゼによってオルトキノン体となり、これが重合してメラニン色素を生成する酵素的褐変反応による。

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