令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 139

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問 139  正答率 : 50.7%

 国家試験問題

国家試験問題
図1〜3は、一般環境大気測定局(一般局)及び自動車排出ガス測定局(自排局)における大気汚染物質濃度の年平均値の推移を示したものであり、大気汚染物質ア〜ウは二酸化硫黄、二酸化窒素、光化学オキシダントのいずれかである。次の記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
ただし、光化学オキシダントは昼間の日最高1時間値の年平均値である。

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図1〜3は環境省「令和2(2020)年度大気汚染状況について」を基に作成

1 大気汚染物質アは、光化学反応によって生じる二次汚染物質である。
2 大気汚染物質イは、燃焼などの高温下で大気成分が酸素と反応して生じる。
3 大気汚染物質ウは、主に自動車排出ガス成分として放出され、工場などの固定発生源からの排出の影響は小さい。
4 大気汚染物質アは、四日市ぜん息の主な原因物質である。
5 大気汚染物質イの2010年度以降における大気環境基準達成率は、一般局と自排局のいずれにおいても低い。

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問 139    

 e-REC解説

解答 5

大気汚染物質アは二酸化窒素、イは光化学オキシダント、ウは二酸化硫黄である。
二酸化窒素は、燃焼などの高温下で大気成分が酸素と反応して生じる物質であり、主な発生源は工場などの固定発生源、自動車などの移動発生源である。1970年代から1990年代までは一般局、自排局ともに横ばいであったが、その後制定された自動車NOx・PM法などにより減少傾向で、大気環境基準達成率は一般局と自排局のいずれにおいてもほぼ100%である。
光化学オキシダントは、窒素酸化物や炭化水素が紫外線のエネルギーによる光化学反応によって生じるオゾンやPAN(ペルオキシアセチルナイトレート)などの二次汚染物質である。原因となる窒素酸化物や炭化水素は減少しているが、大陸からの越境汚染により国内の光化学オキシダント濃度が増加していると考えられており、1980年以降は一般局、自排局ともに増加傾向で、大気環境基準達成率は一般局と自排局のいずれにおいてもほぼ0%である。
二酸化硫黄は、主に石炭や重油などの化石燃料中の硫黄の燃焼で生成する物質であり、主な発生源は、工場などの固定発生源である。ばい煙発生施設での排出規制(K値規制)、指定地域での総量規制などの対策が早くからとられており、一般局、自排局ともに低い値を推移し、大気環境基準達成率は一般局と自排局のいずれにおいてもほぼ100%である。なお、二酸化硫黄などの硫黄酸化物は四日市ぜん息の主な原因物質である。

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