令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 164

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問 164  正答率 : 72.4%

 国家試験問題

国家試験問題
糖尿病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ピオグリタゾンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を直接活性化することで、肝臓における糖新生を抑制する。
2 デュラグルチドは、膵臓β細胞のグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)受容体を刺激することで、グルコースによるインスリン分泌を促進する。
3 ボグリボースは、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP−4)を阻害することで、ソルビトールの細胞内への蓄積を抑制する。
4 トレラグリプチンは、尿細管のNa−グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、尿中のグルコースの再吸収を抑制する。
5 グリメピリドは、スルホニル尿素(SU)受容体に結合して、ATP感受性Kチャネルを遮断することで、インスリン分泌を促進する。

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問 164    

 e-REC解説

解答 2、5

1 誤
メトホルミンなどに関する記述である。ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)を活性化することで、前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化促進、大型脂肪細胞のアポトーシスを起こし、アディポネクチンの産生促進、TNF−αの産生抑制などを介して、インスリン抵抗性を改善する。なお、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を直接活性化することで、肝臓における糖新生を抑制するのは、メトホルミンなどのビグアナイド系薬である。

2 正
デュラグルチドは、膵臓β細胞のグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)受容体を刺激することで、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進する。

3 誤
ボグリボースは、α−グルコシダーゼを阻害することで、小腸での二糖類から単糖類への分解を抑制し、糖類の消化・吸収を遅延させる。

4 誤
トレラグリプチンは、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP−4)を阻害することでインクレチンの分解を抑制し、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進する。なお、尿細管のNa−グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、尿中のグルコースの再吸収を抑制するのは、イプラグリフロジンなどのSGLT2阻害薬である。

5 正
グリメピリドは、膵臓β細胞のスルホニル尿素(SU)受容体に結合して、ATP感受性Kチャネルを遮断することで、グルコース濃度非依存的にインスリン分泌を促進する。

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