令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 108

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問 108  正答率 : 48.6%

 国家試験問題

国家試験問題
日本薬局方収載医薬品プロチレリンの化学構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

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1 アは、β−ラクタム環である。
2 イは、芳香族性をもつ。
3 ウは、ピロリジン環である。
4 N末端は、プロリン残基である。
5 本品は、テトラペプチドである。

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問 108    

 e-REC解説

解答 2、3

1 誤
アは、γ−ラクタム環である。ラクタムとは環状アミドのことであり、4員環アミドをβ−ラクタム、5員環アミドをγ−ラクタムという。
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2 正
芳香族性をもつ条件として、以下の①②を共に満たす必要がある。
①環が平面構造(構成する原子がすべてsp2混成軌道)である
②ヒュッケル則(4n+2個のπ電子をもつ)に従う
イの環を構成する原子はすべてsp2混成軌道であり、π電子は6個である。したがって、①②の条件を共に満たすため、イは芳香族性をもつ。

3 正
ウは、ピロリジン環である。

4 誤
N末端とは、ペプチド末端のアミノ酸残基由来の-NH2基(または−NH−基)のことであり、一般的に構造の左端に表記される。プロチレリンのN末端のアミノ酸残基は、プロリンではなく、グルタミン酸残基である。なお、N末端のグルタミン酸残基は、N末端の-NH2基と自発的に分子内縮合反応を起こすことにより、ピログルタミン酸の形で存在する。
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5 誤
ペプチドは、複数のアミノ酸が縮合しペプチド結合したものである。2つのアミノ酸が縮合した場合はジペプチド、3つのアミノ酸が縮合した場合はトリペプチド、4つのアミノ酸が縮合した場合はテトラペプチドとよばれ、プロチレリンは3つのアミノ酸が縮合したトリペプチドである。

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