令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 330

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問 330  正答率 : 77.1%

 国家試験問題

国家試験問題
76歳男性。2週間後に食道がんの全摘出手術を施行予定である。この患者は3年前に、せん妄を発症した経験があるため、担当医は入院中のせん妄発症リスクが高いと考えている。外来受診時に、当該患者より担当医に「1週間前から、夜眠れない日が続いており、疲れがたまっています。」担当医は、せん妄発症リスクの低い睡眠薬の処方を検討している。当該患者は、これまで睡眠薬及び抗不安薬を服用していないことを確認している。
担当医から病棟担当薬剤師に、この件について処方薬の相談があった。薬剤師が提案すべき薬物として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 ラメルテオン
2 ゾルピデム酒石酸塩
3 ブロチゾラム
4 スボレキサント
5 リルマザホン塩酸塩水和物

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問 330    

 e-REC解説

解答 1、4

せん妄とは、脳疾患や全身疾患、薬物などに惹起される、急性かつ可逆的な精神症状や行動異常を伴う意識障害である。本患者に睡眠薬を提案する上で、一般的な睡眠薬・抗不安薬(ベンゾジアゼピン系薬・非ベンゾジアゼピン系薬・GABAA受容体作動薬)はせん妄発症のリスクが高いため、提案すべき薬物として適切ではなく、選択肢中ではゾルピデム酒石酸塩やブロチゾラム、リルマザホン塩酸塩水和物が該当する。
一方、メラトニン受容体刺激薬のラメルテオンや、オレキシン受容体遮断薬のスボレキサントは、せん妄発症のリスクが低いため、提案すべき薬物として適切である。

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