令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 224,225

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問 224  正答率 : 75.0%
問 225  正答率 : 71.6%

 国家試験問題

国家試験問題
7歳男児。身長122 cm、体重25 kg。母親に連れられて来局した。処方は以下のとおりである。母親に患児の症状を確認したところ、発熱、耳痛はあるが、耳介けん引痛はなかった。お薬手帳及び薬歴を確認すると、併用薬はなかった。点耳薬の使用は初めてであったため、薬剤師が母親に服薬指導をした。

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問224(実務)
母親に対する指導内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 使用後お子さんがめまいや痛みを感じたと言っても使用を続けてください。
2 使用時には冷蔵庫から取り出してすぐに使用してください。
3 耳たぶを後ろに引っ張るようにして、滴下してください。
4 点耳量は1回1滴だけです。
5 点耳後はすぐに起き上がらせてください。


問225(物理・化学・生物)
図は聴覚器の断面の模式図である。1〜5のうち、この患者の主たる炎症部位として、正しいのはどれか。1つ選べ。

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問 224    
問 225    

 e-REC解説

問224 解答 3

本患者は、「発熱、耳痛はあるが、耳介けん引痛はなかった」との所見及び処方より、中耳炎に罹患していると考えられる。

1 誤
使用後にお子さんがめまいや痛みを感じた場合、一旦使用を中断して楽な姿勢で休ませるように指導する。また、使用を続けるかどうかに関しては、医師や薬剤師に相談するように指導する。

2 誤
冷蔵庫から取り出した場合、冷たいまま使用するとめまいを起こすおそれがあるため、使用前に2〜3分程度手に持ってできるだけ体温に近い状態に温めてから使用するように指導する。

3 正
点耳液を中耳まで行きわたらせるために、耳たぶを後ろに引っ張るようにして滴下するように指導する。

4 誤
点耳液で外耳道を満たせるように、1回6〜10滴程度を点耳するように指導する。本患者は、小児であるため、適宜滴数を減らして使用してもよいが、1回1滴では点耳液で外耳道を満たすことは難しいため、指導内容として不適切である。

5 誤
用法に「点耳後耳浴(点耳後に10分程度そのままの姿勢を保つこと)」とあるため、お子さんを横向きに寝かせて点耳を行ったあと、すぐに起き上がらせず、10分程度そのままじっとさせるように指導する必要がある。


問225 解答 3

1は耳介、2は外耳道、3は中耳、4は前庭、5は内耳神経(前庭神経、蝸牛神経)である。本患者は中耳炎に罹患していると考えられるため、主たる炎症部位は3の中耳と推測される。

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