平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 166

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問 166  正答率 : 86.8%

 国家試験問題

国家試験問題
薬物の生体膜透過機構に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 単純拡散では、薬物は濃度勾配に従って透過し、その透過速度はMichaelis-Menten式により表すことができる。
2 促進拡散はトランスポーターを介した輸送であるため、構造の類似した化合物の共存により透過速度が低下する場合がある。
3 一次性能動輸送は、ATPの加水分解により得られるエネルギーを直接利用する。
4 膜動輸送による高分子の細胞内取り込みでは、生体膜自体の形態的変化は起きない。

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問 166    

 e-REC解説

解答 2、3

1 誤
単純拡散では、薬物は濃度勾配に従って透過し、その透過速度はFickの拡散速度式により表すことができる。なお、能動輸送及び促進拡散などの担体輸送の透過速度はMichaelis-Menten式により表すことができる。

2 正
促進拡散は、トランスポーター(担体)を介した輸送である。構造が類似した化合物が共存することで、担体の競合が生じ、透過速度が低下することがある。

3 正
一次性能動輸送は、ATPの加水分解により得られるエネルギーを直接利用する輸送であり、一次性能動輸送を行う担体に、Na,K−ATPaseやP-糖タンパク質などがある。

4 誤
膜動輸送は、ATPを利用し生体膜の形態的変化を起こすことで、高分子化合物などの細胞内取り込みを行う輸送形式である。

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