平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 148

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問 148  正答率 : 80.8%

 国家試験問題

国家試験問題
下図は、ある県内の保険医療機関2施設、保険薬局2施設及び患者宅との位置関係を図示したものである。以下の説明のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
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1  ア の調剤所は、患者が ウ で受け取った処方箋に基づき調剤することができる。
2  ウ は、患者に対する調剤は一切できない。
3  エ は、患者が ア で受け取った処方箋を持参した際に、在庫がなければ調剤を断ることができる。
4  エ は、 イ で分割調剤を行った後の処方箋を受け付けた場合、残りの分の調剤を行うことができる。
5  エ には無菌調剤室がないが、適切に手続きをすれば、 エ の薬剤師が イ の無菌調剤室を利用して無菌調剤を行うことができる。

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問 148    

 e-REC解説

解答 4、5

1 誤
薬剤師は病院もしくは診療所等の調剤所において調剤する場合は、当該病院もしくは診療所等で診療に従事する医師もしくは歯科医師等の処方箋によらなければならない。
したがって、病院 ア の調剤所において、患者が診療所 ウ で受け取った処方箋に基づき調剤することはできない。(薬剤師法第22条)

2 誤
診療所 ウ は、当該診療所の医師の処方箋のみを受け付け、調剤することができる。したがって、患者に対する調剤は可能である。

3 誤
調剤に従事する薬剤師は、調剤の求めがあった場合には、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。調剤を拒否することができる正当な理由を次に示す。
【正当な理由】
・処方箋の内容に疑義があるが処方医師に連絡がつかず、疑義照会ができない場合
・冠婚葬祭、急病等で薬剤師が不在の場合
・患者の症状等から早急に調剤薬を交付する必要があるが、医薬品の調達に時間を要する場合
・災害、事故等により、物理的に調剤が不可能な場合
したがって、医薬品の在庫がないことは調剤を拒否する正当な理由にはならないため、保険薬局 エ は、患者が病院 ア で受け取った処方箋を持参した際に、医薬品の在庫がないことを理由に調剤を断ることはできない。(薬剤師法第21条)

4 正
保険薬局において分割調剤を行い、当該薬局において調剤済みとならなかった場合は、処方箋に調剤量、分割理由等の必要な事項を記入し、処方箋を患者に返却する。分割調剤の残りの分については、後日、当該処方箋を受け付けた同一の保険薬局又は別の保険薬局で調剤することができる。
したがって、保険薬局 エ は、保険薬局 イ で分割調剤を行った後の処方箋を受け付けた場合、残りの分の調剤を行うことができる。

5 正
保険薬局における無菌調剤は、患者宅で用いる注射剤の調製を行なうこと等がある。無菌調剤室を有しない薬局で、無菌製剤処理が必要な薬剤を含む処方箋を受け付けたときは、他の薬局(無菌調剤室提供薬局)の無菌調剤室を利用することができる。無菌調剤室の共同利用にあたっては、処方箋受付薬局と無菌調剤室提供薬局間で契約をしておく必要がある。
したがって、保険薬局 エ の薬剤師が保険薬局 イ の無菌調剤室を利用して無菌調剤を行うことができる。
なお、無菌調剤室の共同利用は、同一都道府県内の保険薬局間が望ましいとされているため、設問の エ 及び イ はいずれも同一都道府県となっている。

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