薬剤師国家試験 平成30年度 第103回 - 一般 理論問題 - 問 134

ある野菜から農薬Aが0.020 ppm（0.020 mg/kg）検出された。この農薬Aの毒性試験データを下に示す。体重20 kgの子供が1日にこの野菜を10 g食べたとき、子供が摂取した農薬Aの量は、この農薬の許容一日摂取量（ADI）の何％に相当するか。最も近い値はどれか。１つ選べ。ただし、安全係数を100とする。


１　33
２　3.3
３　0.33
４　0.033
５　0.0033
６　0.00033

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解答　４

許容一日摂取量（ADI）とはヒトが一生涯摂取し続けても認められるような危険性がないと考えられる1日当たり、体重1 kgあたりの摂取量である。ADIは無毒性量（NOAEL）と安全係数を用いて以下の式（①式）で求められる。なお、NOAELとは、生体に有害な反応（毒性）を起こさない最大量であり、1日あたり、動物の体重1 kgあたりの量で表す。


ADIは、複数の毒性試験で求めたNOAELのうち、最も感受性が高い（小さい値を示した）毒性試験のNOAELを用いて求める。このため、本問では、イヌを用いた慢性毒性試験の無毒性量（3.0 mg/kg体重/日）を用いて①式よりADIを求める。また、安全係数は動物とヒトとの「種差」と、性別や年齢などの「個人差」を考慮して通常、100倍の値が用いられる。


体重20 kgの子供が農薬Aを0.020 ppm（0.020 mg/kg）含む野菜を10 g食べたときの農薬Aの1日摂取量（体重1 kgあたり）は、次のように求められる。


本問では、子供が摂取した農薬Aの量は、この農薬のADIの何%に相当するかを求めるので、以下のように計算される。


よって、本問の子供が摂取した農薬Aの摂取量は、ADIの0.033%に相当する。

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