平成27年度 第100回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 100

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問 100  正答率 : 41.4%

 国家試験問題

国家試験問題
水酸基を有する医薬品Xのデータは以下の通りである。次の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。
スクリーンショット 2016-07-13 13.43.46.png


1 医薬品Xの300 nmにおける比吸光度スクリーンショット 2016-07-13 13.23.43.pngは1,000である。


2 医薬品Xの1.0×10-6 mol/L溶液の旋光度を層長100 mmのセルを用いて測定すると-3.0°〜 -3.3°となる。


3 医薬品Xの赤外吸収スペクトルにおいて、水酸基の伸縮振動スペクトルの波数は、測定溶媒との水素結合形成により減少する。


4 医薬品Xの結晶を作成しX線(波長1.54 Å(0.154 nm))を照射した。このとき、回折角2θが60°の回折点由来の面間隔は0.89 Åである。ただし、スクリーンショット 2016-07-13 13.12.54.png=1.73とする。

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問 100    

 e-REC解説

解答 1、3

1 正
比吸光度スクリーンショット 2016-07-13 13.23.43.pngとモル吸光度係数εの関係は、①式で表される。
スクリーンショット 2016-07-13 13.35.25.png

①式にε=20,000、M=200を代入すると、以下のようになり
スクリーンショット 2016-07-13 13.36.16.png

スクリーンショット 2016-07-13 13.23.43.pngは1,000となる。

2 誤
比旋光度スクリーンショット 2016-07-13 13.37.28.png は、②で表される。
スクリーンショット 2016-07-13 13.38.00.png

旋光度を求めるためには、cの単位を(g/mL)にする必要がある。c=1.0×10-6 mol/L、分子量:200であることから、cの単位を以下のように(g/mL)に換算することができる。
c=1.0×10-6 mol/L=1.0×10-6 ×200 g/1000 mL=2.0×10-7 g/mL
②式に比旋光度スクリーンショット 2016-07-13 13.37.28.png=−30°〜 −33°、c=2.0×10-7 g/mL、l=100 mmを代入すると、以下のようになり
スクリーンショット 2016-07-13 13.40.07.png

αは、−6.0×10−6〜−6.6×10−6となる。

3 正

4 誤
X線を結晶に照射し、回折がみられる場合、ブラッグの式(③式)が成立する。
2dsinθ=nλ ……③ θ:入射X線と結晶面の角度、d:面間隔、n:整数、λ:波長
③式にλ=1.54 Å、θ=30°を代入すると、以下のようになり
2dsin30°=n×1.54 Å   (sin30°=1/2)
d=n×1.54 Åとなる。
この結果から、面間隔dは、1.54 Åの整数倍であることがわかる。

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