平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 102

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問 102  正答率 : 64.3%

 国家試験問題

国家試験問題
次のE2反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
スクリーンショット 2016-07-31 22.42.57.png


1 カルボカチオン中間体を経由する。


2 脱離するHとBrとがシン(シンペリプラナー)の関係となる立体配座から進行する。


3 反応速度は、化合物Aの濃度及びエトキシドイオンの濃度の両者に比例する。


4 出発物質として化合物Aのエナンチオマーを用いると、化合物Bの幾何異性体が主生成物として得られる。


5 化合物Bは、Saytzeff(ザイツェフ、セイチェフ)則に従った生成物である。

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問 102    

 e-REC解説

解答 3、5

ハロゲン化アルキルの塩基による脱離反応は、E2反応で進行する。E2反応は、カルボカチオン中間体を経由しない一段階の反応であり、通常、Saytzeff(ザイツェフ、セイチェフ)則に従ったアンチ脱離で進行する立体特異的な反応である。

1 誤
上記参照。なお、カルボカチオン中間体を経由する脱離反応はE1反応である。

2 誤
E2反応は、脱離するHとBrとが同一平面上で反対方向(アンチペリプラナー)の関係となる立体配座において進行する。
スクリーンショット 2016-07-31 22.44.21.png


3 正
E2反応は、基質の濃度と試薬(塩基)の濃度に比例する2次反応速度であるため、化合物Aの濃度及びエトキシドイオンの濃度の両者に比例する。

4 誤
出発物質として化合物Aのエナンチオマーである(2S,3R)-2-bromo-3-methylpentaneを用いると、化合物Bの同一化合物が主生成物として得られる。
スクリーンショット 2016-07-31 22.45.01.png


5 正
化合物AにおけるE2反応では、Saytzeff(ザイツェフ、セイチェフ)則に従って熱力学的に安定な多置換アルケンである化合物Bが主生成物となる。

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