令和02年度 第105回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 102

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問 102  正答率 : 52.2%

 国家試験問題

国家試験問題
図は、アルケンAからアルコールCまたはアルコールDを合成する経路を示している。この経路に含まれる反応又は化合物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

スクリーンショット 2020-06-15 17.00.14.png

1 アルケンAから中間体Bが生じる反応はanti付加反応である。


2 中間体BからアルコールCが生じる反応は酸化反応である。


3 アルコールCはラセミ混合物である。


4 アルコールCはアルコールDのジアステレオマーである。


5 アルコールDはメソ化合物(メソ体)である。

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問 102    

 e-REC解説

解答 2、3

本反応の概要を下記に示す。なお、アルコールCの生成反応(上の反応)は「ヒドロホウ素化-酸化反応」であり、アルコールDの生成反応(下の反応)は「酸性条件下の水の付加反応」である。

スクリーンショット 2020-06-15 17.00.29.png

1 誤
アルケンAから中間体Bが生じる反応は、BH3(ボラン)によるヒドロホウ素化反応といい、逆マルコフニコフ則かつsyn付加で進行する。

2 正
中間体BからアルコールCが生じる反応は酸化反応である(前記参照)。

3 正
アルコールCは、(S,S)体と(R,R)体(エナンチオマーの関係の化合物)が1:1で混合されているラセミ混合物である。

4 誤
アルコールCはアルコールDの構造異性体である。なお、アルコールCのジアステレオマーは下記の通りで、アルコールDにはジアステレオマーが存在しない。

スクリーンショット 2020-06-15 17.00.44.png

5 誤
アルコールDにはキラル炭素が存在しないため、メソ化合物(メソ体)ではない。

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