平成25年度 第98回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 103

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問 103  正答率 : 68.6%

 国家試験問題

国家試験問題
AとBはそれぞれ互いに異性体である。以下の反応のうち、主生成物がAになるものはどれか。2つ選べ。
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問 103    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
アルケンへのハロゲン化水素の付加反応はマルコフニコフ則に従って進行し、水素原子(H)がHの多い方の炭素に付加した生成物が主生成物として得られる。反応はアルケンのプロトン化によって生じるカルボカチオン中間体を経て進行する。この際に、より安定な3級カルボカチオン中間体Aが1級カルボカチオン中間体Bに優先して生じるため、下図のような選択性が得られる。
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2 誤
アルケンの臭素化反応はトランス付加(アンチ付加)で進行する。下図のように、アルケンと臭素が反応して生じるブロモニウム中間体への臭化物イオンの求核攻撃を経て反応が進行する。cis−アルケンからはアンチ体の生成物(ラセミ体)が得られる。
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3 誤
アルケンの接触水素化反応は下図のようにシス付加(シン付加)で進行する。対称なcis−アルケンへのシン付加では、生成物はメソ体となる。
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4 正
アルケンのエポキシ化反応はシス付加(シン付加)で進行する。エポキシ化にはmCPBA(m−クロロ過安息香酸:m−chloroperbonzoic acid)が用いられる。対称なtrans−アルケンへのシン付加ではラセミ体が得られる。
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5 誤
四酸化オスミウムを用いるアルケンのジヒドロキシル化反応は下図のようにシス付加(シン付加)で進行する。選択肢3と同様に生成物はメソ体である。
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