令和02年度 第105回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 107

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問 107  正答率 : 57.8%

 国家試験問題

国家試験問題
図は、ある化合物Aの1H−NMRスペクトル(400 MHz、CDCl3、基準物質はテトラメチルシラン)を示したものである。また、表は各シグナルの積分比を一覧にしたものである。化合物Aの加水分解反応によって得られた化合物Bについて、同様の条件下で1H−NMRスペクトルの測定を行ったところ、アとウに相当するシグナルが消失し、11 ppm付近に線幅の広い新たなシグナルが観測された。化合物Aの構造式はどれか。1つ選べ。なお、×印のシグナルは水又はCDCl3中に含まれるCHCl3のプロトンに由来するシグナルである。

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問 107    

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解答 3

1H−NMRスペクトルにおいて、異なる環境にあるプロトン(1H)は、それぞれ個別の化学シフト値をもつシグナルを与える。各スペクトルから読み取れる構造を以下に示す。

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化合物Aは、アとウのシグナルよりエトキシ基(−OCH2CH3)、イのシグナルよりメトキシ基(−OCH3)をもち、ア〜ウ以外に積分比が3となるシグナルを有さないためアルキル基をもたないことが推定できる。したがって、化合物Aの構造は選択肢3か4のどちらかが該当する。
次に、化合物Aの加水分解反応によって得られた化合物Bについて、同様の条件下で1H−NMRスペクトルの測定を行ったところ、エトキシ基(−OCH2CH3)のシグナルであるアとウに相当するシグナルが消失したことから、化合物Aがエチルエステル(−COOCH2CH3)であることが推定できる。したがって、化合物Aの構造は選択肢3である。
なお、化合物Aの加水分解反応及び各プロトンとシグナルの関係を下記に示す。

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