平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 112

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問 112  正答率 : 49.5%

 国家試験問題

国家試験問題
下図はヒトの排卵周期を示している。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、男性においてホルモンAは精巣でのテストステロン合成を促進する。
スクリーンショット 2016-08-02 0.55.46.png

1 排卵周期の約14日におけるホルモンAの大量分泌が排卵を引き起こす。


2 ホルモンBは黄体細胞に作用して、その細胞増殖を促進する。


3 ホルモンAの大量分泌に先だったホルモンCの血中濃度の増加は、視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌を抑制する。


4 排卵周期14日以降では、ホルモンDが子宮内膜からの粘液の分泌を促進する。


5 ホルモンCの血中濃度の増加は、排卵周期14日以降の基礎体温の上昇を引き起こす。

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問 112    

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解答 1、4

図は、排卵周期に伴い分泌される下垂体前葉ホルモンと卵巣ホルモンの血中濃度の推移と、それらのホルモンの作用として現れる体温変化や子宮内膜の形態変化などを示したものである。ホルモンAは黄体形成ホルモン(LH)、ホルモンBは卵胞刺激ホルモン(FSH)、ホルモンCは卵胞ホルモン(エストロゲン)、ホルモンDは黄体ホルモン(ゲスタゲン)の血中濃度を示している。
排卵周期が進み、原始卵胞が成熟するとともに卵胞ホルモン(ホルモンC)の分泌が増加し、それに伴い子宮内膜が増殖する。排卵周期が14日目に近づくにつれ、卵胞ホルモン(ホルモンC)の分泌が増加することで、下垂体前葉からのLH(ホルモンA)の大量分泌が排卵日と同調して起こり、排卵が誘発される(LHサージ)。排卵後、黄体が形成され黄体ホルモン(ホルモンD)の分泌が増加し、子宮内膜からの粘液分泌を促進するとともに体温を上昇させる。

1 正
LH(ホルモンA)の血中濃度は、排卵日と同調して一過性に上昇する。これをLHサージという。

2 誤
黄体細胞に作用して、その細胞増殖を促進するのは、LH(ホルモンA)である。

3 誤
LH(ホルモンA)の大量分泌に先だった卵胞ホルモン(ホルモンC)の血中濃度の増加は、視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌を促進する(正のフィードバック)。その結果、下垂体前葉からのLH(ホルモンA)の大量分泌が起こり、排卵が誘発される。

4 正
排卵周期14日以降では、黄体ホルモン(ホルモンD)が子宮内膜からの粘液の分泌を促進し、子宮内膜を維持するとともに、体温を上昇させる。

5 誤
排卵周期14日以降の基礎体温の上昇を引き起こすのは、黄体ホルモン(ホルモンD)である。

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