平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 112

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問 112  正答率 : 62.3%

 国家試験問題

国家試験問題
下図は自律神経系(交感神経系、副交感神経系)の遠心路の模式図である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、図中の神経系A、神経系B、神経系Cは交感神経系あるいは副交感神経系のいずれかを示す。
スクリーンショット 2017-10-19 12.56.50.png

1 神経系Aは、副交感神経系である。


2 神経系Aの興奮により、大部分の血管平滑筋が収縮する。


3 神経系Bの節前線維は、主に胸髄及び腰髄の側角から発する。


4 神経系Bの興奮時には、瞳孔括約筋が収縮して、縮瞳が起こる。


5 神経系Cの神経終末からノルアドレナリンが放出される。

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問 112    

 e-REC解説

解答 1、3

神経系Aは、節後線維に対して節前線維が長く、節前線維と節後線維の比(シナプス比)が1:1であることから副交感神経系と考えられる。
神経系Bは、節後線維に対して節前線維が短く、シナプス比が1:1でないことから交感神経系と考えられる。
神経系Cは、節後線維が存在していないことから、副腎髄質を直接支配する交感神経系と考えられる。
以下、交感神経系と副交感神経系の特徴をまとめる。

スクリーンショット 2017-10-19 12.57.22.png

1 正
前記参照

2 誤
副交感神経系の興奮により、副交感神経節後線維からアセチルコリンが放出される。放出されたアセチルコリンは、血管内皮細胞に存在するムスカリン性アセチルコリン受容体に結合し、血管内皮細胞内で一酸化窒素の合成を促進する。合成された一酸化窒素は血管平滑筋へ移行し、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化することでサイクリックGMP(cGMP)の産生を促進させ、血管平滑筋を弛緩させる。

3 正
交感神経系の節前線維は、主に胸髄及び腰髄の側角から発する。なお、副交感神経系の節前線維は、仙髄の側角や脳幹(中脳、橋、延髄)から発する。

4 誤
交感神経の興奮時には、瞳孔散大筋が収縮して、散瞳が起こる。なお、副交感神経の興奮時には、瞳孔括約筋が収縮して、縮瞳が起こる。

5 誤
副腎髄質を支配する交感神経節前線維終末からは、アセチルコリンが放出される。

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